厚労省と云うところは基本的に医療業界のクビに紐をつけてその首の輪っかのサイズを自在に調整して我々の生殺与奪の権利を持っています。
大昔には武見太郎という物凄いオッサンが居て、その人が「開業医」の便益を代表して戦っていましたが、基本的にこういう利益ゴツゴツの人間というのがその業界を守ってくれるような時代はなかなか再登場と云う訳にはいきません。
ところが、厚労省が医療業界を二年に一回絞るこの恒例行事で「ヤバい状況」が発生する事があります。
そもそも医療業界において金を儲けようという考え方自体がバツでして、その理由は簡単。公的保険システムを使っている限り、次に厚労省が我々に向ける刃はかなり自明で、「金を喰っている分野」を抽出してその保険点数に減額の処置を施すことです。
要するに保険診療の枠内で医療で金銭を得ようとしたところで、金を払う側の親分がその手綱を自在に調整する事でキャンと鳴かされることになります。そこで後に残るのは自由診療領域となる美容の世界。しかし、この世界はもう何でもアリのヤバい世界で、多くのまともな医者は金に目が眩まない限りは近づきません。w
今回ヤバくなっているのは訪問診療業界。今、全国に展開している訪問診療の大手も閉業宣言して退出決定したところもあれば、ファーストドクターの様に訪問診療の超大手でも、保険診療のみの部分ではその「フツー」の診療がカバー出来なくなって、その超過分は患者さん若しくはその御家族に支払っていただくようなシステムに移行せざるを得ないとなりそうです。
結局、医療システム側が足を出さないような、つまり潰れないようなシステムを維持したければ患者側に負担が回るだけの話。勝つ?のは厚労省の役人だけです。そしてその上に連なる財務省。
訪問診療のこれからってどうなるんでしょうね?
厚労省はずっと前に訪問診療を奨励する方向でいろいろとインセンティブをつけて盛り上げた張本人なのに、今になって今度はそれを生かさず殺さずというか、寧ろゆっくりと殺す方向にもってきているとか…。
毎度の毎度この国の保険行政は滅茶苦茶です。
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