2025年3月16日日曜日

時代遅れの愚か者

とんでもない患者がまた出ました。

というか、時代の中でもう生きていけない人達なんだなっていう人達が居るんだなと云うのを再確認した事件が起きました。

実は数年前にも認知症の患者さんが療養病棟でほぼ同じような事をしでかして、お見舞いに来ていたその娘さんにその話をしたところ、平謝りされたことがありました。その内容とは今回の事件とほぼ同一。

私の病院で勤務している看護師さんの中には中国からやって来てアッという間にキチンと正看護師の免許を取って仕事を始める女の子達がいます。(そもそも中国で看護師免許を持っている女の子でもありますが!)

そんな女の子達も、その若さ故でしょうか「あっ」と言う間に日本語を覚えて更に一年も経つと物凄く流ちょうな日本語をしゃべり始めます。勿論、文字などは私などの数百倍も上手くてそもそも比較にもなりません。しかし、どうしてもなかなか抜けないのはそのアクセント。日本人が喋る英語と同じで、文法的に正しくてもその時代の文化の中ではもう使わないような文章の使い方や、少し標準とは異なる日本語のアクセントを使います。

しかし、今回その様な日本語を話す女の子に対してある70絡みのオジサンが「お前は中国人だろう。俺は中国人とは喋らん。バカが!」等という暴言を吐いた挙句、自分の振り上げた怒りの拳自体に興奮して看護師さんに手を振り上げたのでした。

女の子は実は今日が日本で働く最後の日で、あとは四月に中国に帰るだけなのでした。よりによって、その最後の夜勤の日に暴力を振るわれた女の子に対して私は職場で働く上司として、そして日本人として心の底から謝ると共に、直ちにその患者の所に行って本人に事実を確認した後間違いない事が判明。患者に強く説諭し、直ちに退院を命じました。

未だにそういう視点で日本で真面目に働く若い子を汚い言葉で罵る輩が居るという事に深い哀しみを覚えました。

何というか、これではそのオジサンが憎む中国という国の人間以下の所業を犯しているという事に気づいていない愚かな矛盾。カスタマー・ハラスメントとかなんとか云う前に思った一言は「バカに付ける薬はない」というものでした。

昭和100年を迎えた今年。まだあの戦争から抜け出せないバカ者の残滓が日常に溶け込んでいる事を再確認したのでした。


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