時々役所の依頼で路上生活者や汚部屋の住人を検査入院で調べることがあります。
多くの場合は特に若年者でない場合のお部屋の住人などは糞尿にまみれて生活されている方も少なくありません。その様な方々に役所の方が付き添ってきて今後の対応を考えることも多いのですが、実際にはバックグラウンドに深刻な疾病が潜んでいることも多々あります。
入院後に何らかの疾患を見つけても患者さんによく伺ってみると実は以前にもどこかの医者でそんな診断を受けて暫く薬を飲んでいたけど、通院が面倒くさくなって病院で貰っていた薬はもう何年も服んでいない、何ていうことはこれまた普通です。
ですから我々の側でも特段驚くことはないのですが、その数年の間にすっかりそれらの疾患が深刻になっていることがあって、「定期的に簡単な服薬を受けてさえいれば」とか「定期検査で年に一回くらいでいいから検査を受けていれば」ここまで酷くなっていなかったはずというような状況に陥っているのをよくみるのです。
そういう意味では「ケアの傘」がなかなかこのような表に出てこない人達をレスキュー出来ていない事も多々あって、時々連れてきて下さった役所の人達と悔しい思いをすることもあるのです。
しかし、半分くらいの人達は幸いにして何もない状態であることも普通でして、その様な人達はまずはお風呂に入っていただいて、一回の入浴程度では取れないミリ単位の厚さの垢を擦り取ることで「ああ、気持ち良い!」と言ってもらえるところから始めることで生活上の再起を始めてもらうことが出来るのでした。
何と言っても、こういう事を繰り返すことで疾病の予防を行って、最終的には重大な疾患に結びつくような基礎的な生理的な異常を払い除けていってあげることはどんな弱者に対しても大変に重要なことだと思っています。
意外でもなんでも無く、結局はそういった事の繰り返しのほうが国民健康医療費の削減にも繋がるのでだれにとってもwin-winなのでした。^^
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