2023年5月2日火曜日

働き方改革の影響

いろいろな仕事場で働き方改革法案が導入されてきました。

実際の所、医療業界アルアルになってしまうのですが、人の健康の番人であるべき医療従事者達の中でも医師こそが最もその改革に乗り遅れることを許されている状況になっています。実際に全ての勤務医に対してもそれを守らない者に対して時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることになる訳です。

どんな法にも罰則が付かないとそんなものを守ろうとしないのは夏休みの宿題と同じ。怒られるから、期限があるから、それを守らないと「XXX(<ここにはありとあらゆるものが入りますが)」になるから、と言うような理由でみんな尻を叩かれるように動くのが普通です。(それ無しで出来る人は世の中で偉くなれる人です。w)

案の定、医師の場合は5年の猶予期間という訳のわからない猶予期間が付与されていたのですが、それも愈々来年の4月からは逃げられなくなって参りました。皆、実際にこのほうが思考されるとどうなるのかと現場の事務方や医師などはいろいろなことを考えていますが、大きく変わるのが当直体制でしょう。

いわゆるタイム・カードなどを使っての管理がなされていなかった医師が多くの病院では普通に居たのですが、今後はまさに時間単位での管理に移行していきます。一定時間以上の勤務に関しては50%増しの賃金を出させたり、当直明けの連続勤務を禁止したりするだけでなく、総量規制もしていく訳ですので外のバイトの時間なども影響してくることになります。

そしてそれに従わなかった管理者たる院長などに対しては勧告のような形で通知が届き一定期限以降に改善が見られなかった場合には一回ごとにウン十万円という罰金が課されるようです。恐らくは闇で働かせて勤務時間を誤魔化すことに協力を迫る医療機関が全国で大量に出てくると思われますが、必ずやチクリの嵐となるでしょうな。

そうなった時の罰金は怖いくらいになる筈ですので、多分ほかの一罰百戒のような摘発事例を横目に多くの医療機関はそういった事をしなくなると思います。

今回、当院で新たに作成される方向となった医師の雇用契約においては今まで個別契約として当直義務などの無かった医師に対しても月に一回はそういったものを入れる事を以て常勤医師としての雇用契約を作成しているとのこと。実際私にとっては何てこと無い事で、寧ろ仕事が楽になる方向に動くという訳で事態を寿ぐしかない立場なのですが、一部の高齢の先生やそもそも当直を拒否していた先生の一部にはこれを以て常勤の契約から外れる人々が出るような雰囲気で、私にとっては不公平感を解消する良いニュースです。

男女雇用の平等という意味でも実は女医さん達にも大きな波は押し寄せているようで、今までは育児の云々という名目で中学高校生をお子さんに持っているような女医さんであっても当直や週末の日勤業務は免除されていたのですが、それも愈々終わりになるようです。それが課されたくなければ非常勤へどうぞときっとなるんでしょうね。

当院におられる女医さんには意外と冬の時代かもしれませんが家庭において御主人の協力を得られない一部の女医さん方にとっては厳しい年度の到来となるのかもしれません。

法とともに時代は移ろっていくのでしょうが、日本の医療はどう変わっていくのでしょうかね。


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