2023年5月3日水曜日

企業人としてアメリカに赴任するということ

アメリカの我々家族が住んでいた家に日本の駐在員の方が住んでくださっています。

御家族でお住まいなのですが、日本の方なので本当に家をきれいに使ってくださるし、なにか用事がある時のミュニケーションもお互いの常識やニュアンスのレベルが同じなので大変助かっています。

既にバージニアに赴任されて数年経ち、最初は全く英語の話せなかったお子さん方も滅茶苦茶ネイティブになられている様子。小さな子供達の言語への適応というものは恐ろしいほどのものであることは私自身が身をもって知っているのですが、そのお子さん方もこの夏頃を目処に帰国されるとのことでしたので、私としてはちょっと勿体ないなと言う感じがしないでもないのです。お子さん方自身もそれと同じようなことは親御さんに話されているとのことでしたが、やはりお子さんなりに感じるものもあるのでしょうね。

私の場合は研究者でしたので、予算とポジションがある限りは自分が「もうそろそろ潮時だな」と思うまでは時間の長さを自由に変えられたわけですが、企業などから駐在員として派遣されているような多くの標準的な日本の方々は、現地採用でもない限りは本国である日本の本社の意向に沿って駒のように動かされるわけですから、それが1年だったり10年になったりと全く不安定なわけです。

会社によってはある程度現地にいる人達の意向を汲んでくれる所もあるようですが、企業によっては3年の約束が5年になったり10年になったり、もう家族の意向なんて全く関係ない感じで使う所も結構あるようです。

私のように住めば都でどこででも給料さえ手に入って楽しく生きていければそれで良いというような極楽とんぼ系の人にはそれでも良いのでしょうが、企業の中で出世の階段を登っていきたい人とか、海外暮らしが嫌で嫌で堪らないような人達にとっては海外赴任の長期化は「心労」の元なのかもしれませんが…。

いろいろな話をいろいろな企業の方、官公庁の派遣の方などにも今まで伺った事が有るのですが、海外での赴任が箔付けになるところもあれば出世コース外れ組のような事に取られる企業もあるとかでまさに様々。しかしまあ、私に言わせれば2023年にもなって働く場所や国が出世に関して何らかの予測を誘うということ自体がアナクロの一言で嗤われるようにしか思えないんですけど、沈みゆく日本の沈みゆく企業にはそういう基準が未だに残っているんでしょうかね?

私はアメリカに赴任されている多くの日本企業の方々がアメリカに1年、2年と暮らしていく中で「明らかに」日本に居ただけでは得られなかった多角的な視点を持って日本に帰っていかれる様を何度も何度も目にしてきました。中には企業を辞めてまでそのままアメリカに住まわれる方も居ました。

別にアメリカに限ったことではありませんが、人種、宗教、常識が違う国の中で自分達を見つめ直す時間を持てるということは「有り得ないほど素晴らしい時間」だと思うんですよね。願ってもない!とはこの事ではないでしょうか。

今でもアメリカに住まわれている方、そしてこれからアメリカに向かわれる方々。何事も挑戦です。前向きに挑戦することが何よりも尊ばれる国で頑張って何も失うものはありません!

私は今でも戻って住みたいなと思うくらいです。娘達がアメリカで子供を育てるような状況が発生したら「良い理由」になるんですけどね…。


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