2023年5月30日火曜日

糖尿の病名変更方針決定!?

昔、私が医学部の学生だった頃は精神分裂病と言う用語が使用されていました。

ところが、私がアメリカ滞在中の2002年にこの精神分裂病の名称が統合失調症というふうに変更されました。精神薄弱という言葉も今は遠い昔の話で、知的障害というように変わってしまいました。多くの医学現場では幼時からの障害という意味で精神発達遅滞等という言葉も使われていますが。

それと同じことが今度は糖尿病に起きることが決まったようです。

実際のところ、尿糖というのはいわゆる糖尿病の患者さんであっても普通に微量のレベルで出ていて、別に糖尿病の患者でないからといって尿糖が完全にゼロなどということはありません。結局、尿糖はあくまで診断へ至るまでのreferenceの一つであって、実際には血糖値とHbA1cの糖化のパーセンテージ(赤血球の表面上を覆うある種のヘモグロビンのβ鎖というものにグルコースやリン酸化された糖がくっついているもの)という2つの指標のコンビネーションで診断されるので、尿糖がそのなかで最終診断に占める場所はないわけです。

そもそも、尿糖は妊娠時などでも普通に出てきやすくなりますし、糖尿の患者さんの尿が何時でも糖がテステープでの検査で陽性などということもありません。結局は閾値の問題です。

江戸の昔には消渇と言われていたのは時折時代小説の中に出てきますが、英語ではDiabetesとかDiabetes mellitus(略称DM)などと言われていますよね。

現時点では糖尿病学会の方では高血糖~等と血糖が高いことをベースとした種々の疾患であることを示すような方向性が暫定案として出てきているようですが、さて最終案はどうなるのか?

統合失調症のようにナルホドと思えるような良い名称が付けられることを期待しています。


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