2023年3月23日木曜日

Winnyを観てきました。素晴らしかった。

対メキシコの試合の途中で「おれが観戦していたら負ける」と確信をしたので予定していた映画を観に行くことにしました。

観たのはWinny。場所は伏見ミリオン座。今まで一度も行ったことのない映画館でしたが、この映画を観る最も近場の映画館といえばここでした。名古屋のどこに行くにも地下鉄がありますから便利そのものです。映画館に近づいた所でまずは自販機でコーヒーを一本。

中に入るとこの映画館がStarCatの経営する映画館であることがわかりました。少しレトロな雰囲気の映画館だったのですが、それがまた良し!発券機で映画のチケットを買って周りの人達から少し離れた位置、しかしど真ん中に席を取りました。

中に入ると休日の火曜日の昼前にもかかわらずこの映画を観に50人以上の老若男女が集まっていましたが、印象的だったのは若い女性の多さ。この映画を観るのが私のようなテック好きの人間であれば解るのですが、一見すると全くそう見えない感じの女性陣が結構その中で大きなマスを占めていたのでちょっと驚いた次第でした。

映画の中身に関しては何時ものようにネタバレ禁止ということで多くは語りませんが、警察というのは…というのが正直な感想。国家権力の名のもと、頭の悪い警官達が寄って集って1人の天才を潰し切るまでの怒りと涙なくしては正視できない物語でした。

幼いと思えるほど純粋で、世間擦れしない天才テック・ギークが裁判の泥沼に巻き込まれて失った貴重な7年。裁判が終わった後にあっと言う間に亡くなってしまいました。脂の乗っていた時期をクソ下らない「国家との裁判」に浪費したのでした。その間にP2P技術を使った様々なサービスがほぼアメリカ発で世界を席巻。京都府警は今も昔も・・・です。

映画の中ではあるシーンで、多くの人が啜り泣いていましたが私もその1人。

演じていた東出が本物の姿の在りし日の「47氏」こと金子勇氏に切り替わり、映画の中で未来の子供達に恥ずかしそうに語りかける「その言葉」を語って暫くも経たないうちに夭逝した彼の無念、彼の能力を知る人達の無念を思うと文字通り暗澹たる気持ちにならざるを得ませんでした。

金子さんを知る方々のお話では、Winnyは彼の持つ技術にとっては本来傍流。本質はシミュレーションとニューラル・ネットワークだったとのこと。いろいろな素晴らしい逸話がネットに散っています。異様な速度でプログラムを書き上げるけどその説明(論文化)はこれまた苦手というラマヌジャン型の人なんでしょう。

才能をお上が殺す国・日本。子供のように純粋な彼はもう居ません。この映画”Must See”の映画だと思います。


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