2021年4月18日日曜日

叔父の孤独死

大阪で一人暮らしをしていた母の弟が孤独死をしていたのが発見されたとの連絡が入りました。

私の知らない死んだ爺さん譲りの理工系の頭脳を持った叔父さん(Nというイニシャルの持ち主)でした。母の弟とは言え、ほとんど田舎に帰ってくる事もなく東京や大阪で毎日新聞の記事を書く仕事をしたりしていた時期もあったようです。少なくとも私が知っている叔父の仕事はそういったもの。

もう10年以上も前から、母の妹、叔父の姉に当たる北九州の叔母から「Nの肝臓が末期的で、心不全も随分進んでいるみたい」ということで、この前宮崎で癌で亡くなった叔母もその当時、その北九州の叔母とともに大阪に叔父を見舞ったらしいのですが、幾ら言っても全く聞く耳持たずという感じで独身をこじらせている感じだったとの報告を聞いたのが最後でした。

それから多分、想像ですが「長い間」酒漬けになっていたのであろうと想像します。私自身は名古屋でこうやってアルコール依存症の延長上に発生している肝硬変末期の患者さん、腎不全の患者さんなどを治療してはいるものの、遠く離れて住んでいる変人のとは言え、自分の身内のそういった状況には全く気づく事もなく・・・という情けない事実。言葉もありません。

一週間ほど前から叔母が電話をかけても全く出てこない。他の人間がかけても出てこないということで、大家に電話をして調べてもらえないかと言っても「警察でなければ開けて入れない」との事で、やむなく警察に電話したところ室内で死亡しているのが発見されたとのこと。おそらく死後一週間前後だろうとの話です。

それにしても、こういう孤独死などという予想だにしない案件がまさか我が身内から出るとは・・・。

とは言え、種々の統計を見てみると、2018年頃のデータでは孤独死はこの15年で2倍以上増えているとのこと、平均的な孤独死の発見時年齢は61歳。発見される死後の平均的経過日数は17日。8割以上が男性。年間2.7万人程度亡くなっており、季節にはあまり関係ないようです。

将棋の強かった叔父さんというイメージがあり、物理や数学が強かったというイメージがあります。極端にお金のなかった母方の人間は大学進学は当時夢想だに出来ずという時代で、集団就職でロッテのガム製造工場に働きに出たのではなかったのかな?当時のお土産は工場で貰ったというソーダのサイコロガムの箱!(当時、幼かった私の歯を一撃でぶち壊してくれました。w)

一人で住むというのはこういうリスクと常に背中合わせということだということを改めて思い知らされた春でした。一人暮らしを謳歌し、一人で逝った叔父。せめて美味しい酒を飲んでいたことを祈りたいものです。

叔父さん、安らかに成仏してください。合掌。

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