バイトで週一回の在宅診療に行っている話は何回か書きました。
そこでのいろいろな興味深い話、個人的な見聞もあるのですが全部はとても書ききれませんし、プライバシーの問題で書いてはいけない部分もあります。しかし、今回の新型コロナウイルスに関連したことでは、行政の能力の無さというものを再び痛烈に思い知らされました。
ネットのニュースではワクチンのクーポン券を家に配送された人々の群れが全国の役所窓口に殺到して行列をなしたという話。無理もありません。
診療に行った先の家に配られたワクチン接種申込みの用紙に関して、在宅診療に行っている時に大変元気な90代の爺ちゃんから質問を受けました。「わしが電話しても全然繋がらん」とのこと。無理でしょう。そこには娘さんである60代後半の方もおられるのですが、二人共書類に記してあるQRコードの事は全く理解できない。そしてそれも当然です。
システムが理解できる人の視点からセッティングされた予約システムなどというのは典型的な砂上の楼閣ともいうべきもので、「難しいことはなかなかわからない」という利用者の視点に立ったシステムでなければ意味はなし。システムの存在理由さえ疑いかねません。
行政側はテレビや新聞で「ネットでの予約がお薦めです」等と寝言を言っておりますが、今の70歳、80歳、90歳のワクチン接種のメイン・ターゲットになっている高齢者向けにスマホ持ち前提、かつそれでQRコードを読み取れて、かつそれに情報を「自ら」入力させるシステムなどというものが本当に本気でワークすると思ってセッティングしたのならこれは役人側の脳味噌の想像力の貧困というか愚かなrobotic job w/ no brain.と言われても仕方ないでしょう。
あんたらには身近に想像できるような爺さん婆さんはおらんのか?それともあんたらの身内の人間はみんなそんなにスマートなんか?という話。
挙句の果ては現実に当然の如く老いた人が役所に殺到してきたわけで、行政が積極的に密を作り出してくれたわけです。ほんにお前らクソ役人ときたらどこまで・・・。
老人達には何の罪もないわけで、むしろ未だ役所に来れる足と頭があるだけでも幸せな人達であって、配られた用紙を部屋でただ見つめるだけの人達も多数いるはず。しかも病気があれば怖くて外出できないジジババも沢山おるわけです。現場の日常を全く理解していない「資格試験だけ通過したバカ」が足りない脳味噌寄せ集めて作り上げたワクチン接種リクエストシステムと言われても役人は反論できんでしょう?
スマホのリクエストシステムを作り上げたエンジニアには実際何の罪もなくて、リクエストシステムの構成を決定した人間達とそれを決済した上の人間達はホンマに現場で何が起きてるのか判って仕事しとるんかいという話。
ちっとは想像力を働かせて税金食ってる分程度の仕事をしろって感じです。
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