2021年4月16日金曜日

今度のミューテーションを侮ってはいけない

当初より予想されていた今回の新型コロナウイルスのアミノ酸変異。

オリジナルのmRNAがミスセンス変異などを通じて次々変化を続けています。その変異が確認された国で多く流行っているものに対してそれぞれにXX型という感じの地域名が頭に付いたネーミングがなされていますが、実際は各国のタイプとも、今まさにこの瞬間もそのウイルスの変異は蓄積され続けているわけです。

変異と一口に言っても、実際に目立つのは感染の効率と威力を上げる変異。実際には下手をすると自分自身を消滅させたり、人への感染力を下げたりするような変異も起きているはずですが、そういったウイルスの拡散にとってネガティブに働くような変異というのは基本的に「増えることに不利」ですから、消滅の方向へ向かうのが基本なので、ウイルスの増殖にとって有利な変異(その多くは人にとっては有害)をおこしたもののみが目立ってくると思われます。

その結果がイギリス型とかブラジル型とか言われているものですが、実際にこれらが一旦確認された後は大阪などを手始めに異様な速度でその変異型が拡散を続けています。

アミノ酸変異の部位も日々各国で各種同定されていますが、その変異は多岐にわたっていて、感染性や病原性に各種のバリエーションを加え続けているようです。そのシークエンスは同じくコロナとは言ってもMERSなどとは大きく異なっており、やっぱり対応も一筋縄では全く足りないようです。

大阪の先生が医師のフォーラムの中でつぶやかれていたのですが、いま大阪を襲っているイギリス型の変異はどうやら質が悪いようで、今までであればこの感じであればこの程度、この状態であればこの程度で済むであろうという、Covid-19の治療に慣れてきた先生方の臨床経験として蓄積されてきた感覚をもう一度壊すような感じで悪質なようです。

例えば、若年者でも今までであればここで止まると思われるような症状が一段悪いところまで行ってしまうようです。それがどうやら今回の重症病棟占拠率の急激な上昇に影響を及ぼしているようで、単純に感染者上がっているだけという事ではなさそうです。要するに、このイギリス型というやつが今まで英国で猛威を振るっていたのであれば、日本もワクチンを打たない限りは同様の悲劇が待ち受けている可能性が大。

今まで以上に厳密な外出自粛などが要求施行されるべき時期に来ているものと思われます。ブレーキとアクセルを踏んだり緩めたりするようないままでのような「ぬるい」やり方では却って日本に深い傷を与えかねないという事になります。

コロナはただの風邪とか今も言っている愚かな人間が巷には居りますが、最初から言っているように正しく恐れ正しく対応することによってのみ感染症は拡散を防げます。

ワクチンを打ってさえ用心を継続。況や打っていない人は更に用心が必要です。


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