2021年3月31日水曜日

差別を絶対に許してはいけない

我々はアジア人としてアメリカに住んでいたわけですし、娘達はいまも普通にアメリカで夫々に日本生まれ、そしてアメリカ生まれのアジア系アメリカ人として生きているわけです。

しかし、あのバカ大統領の時代に感化された一部の負け犬たちがアジア人差別を言葉や行為と言う形での暴力としていろいろな形で被害者を作り出しています。pre-Trumpとpost-Trumpではアジア人差別のみならず、種々のhate crimeの割合が劇的に増えたということが種々のリポートで報告されています。
地域によっていろいろなバリエーションはあるものの、religious, gender, sexuality,race等、現代アメリカの国家そのものの土台を成す多様性の根っこの部分を攻撃するバカが増えているのは間違いありません。

いまはやっとあの悪夢のようなTrump eraからやっとこさ出てきて、ホッと一息ついているところですが、下にあるようなsocial experimentを見ているとやっぱりこれが単なるexerimentで終わらず、実際に日常生活ではこういった実験以上に酷い仕打ちを受けている人達が、表に出ない形で大量に存在していることを忘れてはならないでしょう。

我々アジア人はこうやって最近新型コロナウイルス絡みで「あの」元大統領のバカT主導で標的になってきているわけですが、黒人に至っては数百年にわたって我々以上に遥かに酷い仕打ちを受けてきたわけです。

戦時中の日系アメリカ人への収奪と強制収容の歴史も声を上げたからこそ表に出てきたもの。我々は差別に対して必ず断固たる声を上げ、それを根絶やしにするように何世紀であろうと闘い続けねばならないと思います。ユダヤ人のように何世紀の間であろうと!そうでなければ、我々の存在がやがては何らかの思いもよらぬことがきっかけで消されるような嫌な時代が来ないとも限りません。

抑圧許すまじ。差別許すまじ。いつでもfighting spiritを持っていたいものです。


2021年3月30日火曜日

自分を追い込んでいく人達

にっちもさっちもならなくなる状況というのを自分から作り出していく人が多いことを在宅医療のバイトを通じて知ることが多くありました。

特に若くして(といっても30-50歳前後で)何らかの慢性疾患等で行政のサービスを使っている患者さんに多いような気がするのですが、次から次に支援に入ってくれている担当者や介護事業所、種々のマッサージサービス、リハビリ施設などのサービス従事者達と次々に揉めてはサービスの事業者を変えていき最後にはそのエリア界隈で殆ど接触禁止レベルにまで自分自身を追い込む人々がいるのです。

こういった業界の内側を見たことのない多くの人々にとっては「何故?」と思われる方も多いかとは思うのですが、実際にこういう方々は親兄弟とも揉めたり、関係疎遠な方が多いのです。中には親兄弟と関係を断絶させているような人も少なからずおられます。

何でなんでしょう?ということなんですが、私の眼から状況を見ると偏に周囲の環境に対するご本人のキャラと対応が間違い続けているからというのがほぼ間違いないと思います。

例えば、最初はよくわからずに「とりあえず」という感じでどこかの施設一ヵ所を試しに選んでも、何となくその人にとって満足と思えるようなサービスが患者さんに対してなされずに関係が悪くなったなどというのであれば、これはまだ如何にも有り得ることで、サービスをしてくれる人と余りソリが合わないなんてこともありえます。そこで、より良いservicerを求めて人の噂などをもとに、次のところを探ってみるというのはまだ「あり」かもしれません。ところが、こういうサービスをしてくれる多くのサービス・ステーションが周辺にあろうとも、それら近隣のほとんどの施設から次から次へと断られるような患者さんというのが実際に居られるのです。この手の人々は通常「何らかの問題」を抱えている人がほとんどです。

サービスを提供する側に「電話も含めた接触禁止!」等というような怒り任せの措置をとらせるような人までいるそうで、そこまで来ると一度「怖いもの見たさ」でそういう困った人々を実際に観察してみたいなと言う気もしますが、君子危うきに近寄らずがやっぱり良いのでしょうね。

今日はバイト先のある先生からそういう人を貴院で受けてみませんかと言われたため、お話をよく伺い、電カルをよく読ませていただいた後、丁重にお断りした次第でした。w

怒りのコントロールや感謝の気持が表現できない人は、身体に障害が出た後でも更に自分を追い込むことになるのでしょうか・・・。サービスの提供者にとって、サービスを受ける側にとってもとてもやるせない話です。

2021年3月29日月曜日

生まれてはじめて自分の体のCT画像を撮ってみた!

毎日のように患者さん達の体の各部位のCTやMRIのオーダーをするのは私の日常の仕事の一部です。

ところが、己の体はずーーーーーーーーーーっと前にGeorgetown Universityの神経内科で脳のMRIを撮ったきりで、自分の体に関する他の画像といえば健康診断時の胸部写真と心臓のエコー画像くらいですかね。まあ、何らかの異常が無い限り普通は撮らないというのは納得の理由ですので、それで良いわけですが・・・。

今回2つのことが重なって己の体の各部所を撮ることになりました。まず1つ目は今回病院のCTが初めて入れ替えの儀式を行って新品になったこと。2つ目はちょっと前にも書いたように、めまいという体調不良が続いているのが純粋に循環器から来ていることを確認するため、他の臓器、特に脳内には腫瘍や粗大な梗塞、血腫などが無いことを確認しておくことで「除外」しておかねばなりません。 

という訳で病院でまず第一番の名誉ある被験者としてサンプルになりました。
先ずは脳から。マシンが動き出して判ったのですが、80列のCTであっても解析は超速でかつ静か。今までのマシンとは解析の速度が文字通り桁違いで「待つ」ということがありません。

自分の脳みそには特に異常がない事は確認したのですが、脈絡叢と言う部分の石灰化が認められ、いわゆる加齢現象は確認できてがっくりでした。w
とりあえず、記憶に関連するエリアや皮質の退縮などは認められませんでしたし、おかしな様子はありませんでした。

それが終わった後、技師さんが今なら「試験という名目」で呼吸器も消化器も撮影できますよ!という魅力的な提案。というわけで、さっさと撮ってもらいましたが特に腫瘍や胆石、脂肪肝などもなく小さな肝嚢胞が一個だけあったくらいでした。

その後アプリケーションの一つで肺の解析をしてもらい、全く肺気腫には縁がないことも判明。とりあえず、器質的な異常という意味では弁膜以外の種々の臓器には余り目立った異常は無さそうなことが解りました。

同時行った血液検査でも「今の所」はいつものちょっとした中性脂肪のやや正常値上限よりも高目の数値が見られたくらい。やっぱり循環器ですかね~。こちらの精査は継続ですかな。

最近は体に気を使って早めに床に就くようにしておりまして、あんまり疲れが残る感じではなくなったことは少なくとも良いことと言えましょうか。

2021年3月28日日曜日

次女ってチョイ変わっとるんかな?

私は知らなかったのですが、次女が日本で予想外の行動をとっておりました。

先日も夜9時半頃に外へ出ていくので、犬の散歩かな?と思っていたら犬は家にいるので「???」と言う感じ。まあ、外の寒さもかなり緩んできたし散歩にでも出ているのかくらいに思っていたら11時前くらいに家に戻ってきて一言「美味しかった」と。

一体何なん?と尋ねたところ、我が家から歩いて五分くらいのところにあるスシローに一人で寿司を食べに行っていたというのです。(゚∀゚)
私としては二重の驚きで、そもそもこんな時間に外に寿司を食べに行くという感覚がまず謎。そして自分の娘が女の子一人で一人で寿司を頬張る姿を想像すると笑えてしまいます。

少なくとも以前ここのスシローに行った時にはお一人様用の席はなかったような気がしていたんですが、次女によれば「いや、あるよ~」とのこと。ネットの情報を見てもここにそういう席があるとは書いていないのですが、普通にお一人用の席があることは間違いなく、寿司の流れるカウンターに直に直角に向かうような配置の席があるんだそうです。

しかし、夜中に黙々と画面の上で寿司を選びながらもりもりと寿司を食べては返ってくる次女。実は既に何度も行っているようでして、私のように食に関して受動的な人間からは想像もできないような行動をしている事を「今更ながら」知って、我が子ながら人は見かけによらんな~と感じた次第でした。

こういうところは嫁さんの方の家系の血が出ているのか、それとも女の子というのは一般的にそういう食事への拘りが強いものなのか。少なくとも、食に関するコメントは私のような定食Aで一年中満足しているような人間には永久に無理かと思います。w


2021年3月27日土曜日

下げ止まりとリバウンドがやって来そう

政府の新型コロナに対する対応は全く迷走そのものです。

安倍さんの政権末期からそうでしたが、アクセルとブレーキの踏み方や踏む時期が全くちぐはぐな上に当初の予想に全く追いつかないワクチン配布が出鱈目なハーモニーを奏で続けています。客観的に見ていて「あかんやろ」という言葉しか出てこないような為政者としての行動。

実際にどんな感じでコロナの新規感染者数が上下動しているかというのをグラフで改めて眺めると厳しいとしか思えません。
実際のところ日々のニュースでは下げきってもないのに緊急事態宣言を解除した後、日々の定点での人での報告を見る限りでは確実に皆の心は緩みっぱなし。病棟の師長まで先週末にはお伊勢さんに行ってきて「めっちゃ人出が多くてこれはイカンわと思った~」とかとぼけた事を言っておりましたが、「師長さん、まさにあんた自身がその一人やろ!」と即ツッコミせざるを得ませんでした。

こんな状況で、これからまだ1兆円使い残っているとか言う話になっているGoToトラベルをやっていこうとか、もうね・・・何を考えているのか普通の思考回路の持ち主には全く理解が追いつきません。

こんな感じではいつの間にか先進国最低のワクチン接種率のままで、他の先進各国では感染者が急減するのを尻目に日本だけが煮え切らない政府の政策のもと「いつまでもいつまでも」燻り続ける国として苦しみ続けるようなことにならないことを祈るばかりです。


2021年3月26日金曜日

激辛シリーズは止めたほうが良いと思うんですが・・・

私は大食い選手権を見るのが結構好きでした。

しかし、最近はギャル曽根が出る番組があるくらいで、昔のようにフードファイターの小林選手やジャンボ白田なんかがアクティブに出ていた頃のような勢いが最近なくなっているのは、やっぱり窒息とかの事故が背景とかにあるからなんでしょうかね。そこら辺の事情は知りませんが。

少なくとも、ゆっくり淡々と食べる大食いの人というのが世の中にいるのは本当のようで、みての通り性別や体格はあんまり関係ないのは間違いなくて、いわゆる正常なレベルの摂食能を持っている人というのは比較的体格と年齢に比例したゆるい相関をもって食べる量が変わるのだと思いますが、満腹中枢への刺激が先天的に弱い人や血糖値の上昇が何らかの理由で遅い人なんかはやはり満腹感を感じるのが遅いはずで、食べる量も多く摂れるのだと思います。

まあ、痩せの大食いなどという言葉もあるのですが、個人的に思うのはこの手の人達というのは今のような人類史上初めての「飽食の時代」にこそ生きることが出来る非効率的な体内システムの持ち主であって、その99%が餓えと戦う飢餓の時代であった人類の歴史においては多分生き残り辛いような人々であったことでしょう。

いわゆる今の時代、少し食べるだけで太ってしまう!と困っている人々(私も。w)こそが選ばれし体質の持ち主と考えてほぼ間違いないと考えるのですが、いかがでしょうか。

ところが、こういう大食いの番組と違って最近同時に放送されていることの多い激辛選手権のものは大食い以上に宜しくないというか「危険な行為」だと思っています。

そもそも、辛すぎるものは消化器の粘膜に対する激しい刺激というか、攻撃を行いますので、例え我慢して食べたとしても消化管に入った後にダメージを及ぼし続けることでしょう。

記録では辛すぎるものを摂って食道に穿孔部を作ってしまった人もいたとのこと。全く驚きません。キャロライナ・リーパーとかもう普通の食材としては不適切なレベルだと思いますし、むせてしまった時に呼吸器に吸い込まれてしまったら高度の持続的刺激による重篤な肺炎を起こす可能性が高いと思われます。

問題は金を貰ってそれをしている人達はそれに命をかけているし責任をとるのでしょうからまあ、結構なのですが、それを真似る人々には単純に巨大なリスク。まさに上に書いたような命に関わるリスク、健康に甚大な影響を及ぼす可能性があるわけです。

視聴率を稼ぐのは良いけれど、これも時間が経つに連れいろいろな事が「これから」重なって無くなっていく番組ではないかと思います。辛味は個人の好き嫌い程度の範囲の料理番組に収めておくのが一番いいのではないでしょうか。

2021年3月25日木曜日

長女がムリと言った事とは

長女と話していて話題になったことがありました。

最初は「アゴが痛い」ということで、顎関節症かも?という質問がtelegramのテキストで入ってきました。と言うわけでその後はVoiceに切り替えて一時間ほどの長話。その中でいろいろな話がまた出たのですが、おもしろかったのは自分の仕事の話。

彼女自身が今の仕事を気に入っているということを聞いて、ふむふむと思ったのですが、その中で自分がどんなエリアのどんな仕事をしているかということを説明してくれました。良いなと思ったのは上司が優れた人らしくやはり専門性を生かした優れたsuggestをいろいろなグラント・オファーの中に入れてきてくれて、自分の書いた文章をbrush upしてくれるというのです。

私が「それって日本で言うところの赤ペン先生ちゃう?」と言うと電話口の向こうでゲラゲラと大笑いして「私のオリジナルのオファーは赤ペンでマッカッカ!」とのこと。「いっつも感心するような良い提案とかしてくれて勉強になる~」と言っておりました。

長女自身は「大学ではいつも文章の作成に関してはトップ・ランクだったんから自信があるつもりだったけど、実務を始めてみて専門性の高いエリアでのこういったsupervisorとの遣り取りは本当に自分のためになる!」と言って声が弾んでいました。最初から尊敬できる良い上司に恵まれた長女は幸せというべきでしょう。

さて、そう言う話の中で今度は別の話が出てきました。それでは今の仕事を今後どれくらい続けるのかという話だったのですが、その中身はまた何時の日か別の機会に話すとしてその中で日本で働くというオプションに関して、可能性はあるのかということもちらっと聞いてみたのですが、Goldman Sachs等からのジョブ・インタビューのオファーなんかが有るけど、今の仕事に充実感を感じてるし、日本で働く仕事のオファーは真面目には考えたこと無いとのこと。如何にもアイツらしい。内心、逆の意味で自分のムスメのマインドのstabilityに安心しました。

で、日本で働こうと思わない最大の理由は何?と聞くと、集団の中に没して自分の言いたいことを言えない人間になってしまうようなことが嫌というもの。そして、次の理由が笑ってしまうほど低い給料とのことでした。殆どの企業が年齢依存型の給与体系で、大卒が初任給、年俸、何れにせよビックリするほどの低さということがそういう「日本で働く」という選択肢を直ちに消してしまうんだそうです。

長女の友人の男の子も日本のある企業から仕事のオファーを受けたらしいのですが、その額を聞いて即座に選択肢から「撥ねた」とのこと。能力を適正に評価して若い頃から給与で評価して買い上げるという発想は日本の一般企業にはありませんので、「それが今の日本の普通よ」と言ったら即座に長女から「ムリ」と言われてしまいました。

日本に住んでいる私としてはちょっと寂しい話でした・・・。

2021年3月24日水曜日

アジア人の女性としてアメリカで生きること

ジョージア州アトランタで続いたマッサージ店連続襲撃事件。

8人の死者のうち6人がアジア人女性だったという事実がありました。どれほどまでにこれがアジア人女性を狙った人種ヘイトが主軸の犯罪なのか、それともこういった産業で働く女性を集中的に狙った性的なものが絡まったJack the Ripperの銃器版の様な犯罪なのか。詳しいことは逮捕された21歳の男の公判を通じて明確になっていくのでしょうが、銃器を用いたこの手の輩共の「お手軽な大量殺人」に怒りがフツフツとこみ上げて来ます。

本当にアメリカは銃に関して言えば世界最悪の後進国。モグラたたきよりもひどい状態で、毎度、叩いたモグラの数の倍が出てくる始末。おの手の銃器に関する話は既にアメリカにいた頃から何度もこのブログで書いてきましたが、正当防衛を憲法修正2条と絡めて拡大解釈をする連中が十をバラマキ、ロビーングを続け、銃を求める人間が購入やNRAを通じて金を連中に献金し続けるうちはアメリカが荒野に戻るまで銃が非合法化されることはないでしょう。

しかし、今日思うのはアメリカに娘達を住ませ、学ばせ、働かせている父親としての不安です。長女からはたまたま昨夜寝る直前にTelegram経由で電話が入ってきて別件で話したあと、この手のアジア人差別の話に中身が移ったのですが、長女としては「あ~、またかって感じでもう何にも思わない。差別してくる人間は表からは見えないし、別にヒルビリーのような人間じゃなくても高学歴の人間の中にも男女を問わずアジア人を、そしてアジア人女性を裏に表に差別する人間なんて何処にでも居るし相手にもしない。」というような事をサラッと言ったのですが、父親としてはそんな事では済みません。

言葉はもちろん、物理的な攻撃は人の存在事態を危うくするものです。差別する側の人間は全く自分にはそういった差別をしているという「意識」さえせずに差別していることが殆ど。わたしの場合は世間の理不尽な犯罪を犯すアホに怒りをぶつける時によく「きちがい」という言葉を遠慮せず使いますが、これも同じようなものか。難しいものです。

今の時代、年頃の娘達がアメリカの普通のストリートでこういうキチガイにつきまとわれたり、攻撃を受けるようなことがあれば親父としては血の復讐になりそうで・・・。しかし、これでは同じレベルに堕ちてしまいますね。

差別から得られるものなんてな~んにも無い、得られるとしてもそれは必ずネガティブなものだけでしょう。

しかし、それにしても大学で私の周りに居たアジア系の女性はみな私などより遥かにしたたかだったような気が・・・。アジア人女性の深く隠された芯の強さを知っている私としてはアジア人女性を舐めてかかると痛い目に遭うという事だけは教えておいておくべきかという気が致します。

2021年3月23日火曜日

変異型コロナとワクチンの効果

当初から予想されていたことではありました。

そもそも新型コロナ・ウイルスが流行り始めた頃から、基礎研究をしている人間であれば誰でも予想し、かつ当然のように出てきた変異型コロナ・ウイルス。問題はその変異がどの程度ウイルスの持つ病原性、感染力等に影響を及ぼすタイプの変異か否かということが関心事でした。

RNA virusはDNA virusと比較すればその安定性において変異(ミューテーション)が入る確率は全くレベルが違う高い変異確率になります。未だにRNAとその翻訳の安定性に関する研究というのは最先端の分子機構の研究エリアの一つ。私達が学生の頃は蛋白に複製されないmRNA以外のRNAはそもそもジャンクなどと呼ばれていましたが、それは単純に人間の側がRNAの複製機構を「全く」理解していなかっただけの話で、それ以降RNAiの研究やそれから先の安定性の研究等が出てくるにつれてRNA worldの複雑精緻なメカニズムが次々に明らかになってそれを「治療に活かす」という次のステップに入ってきたのが90年代以降。

今や癌の治療、代謝疾患、免疫疾患、レアな遺伝変異による希少疾患の治療などにもmRNAを使おうという大きなうねりがあります。そのアプリケーションの一つが今回のワクチン作成。

当然、上のようにウイルスの複製が繰り返されれば繰り返されるほど変異が導入されてくることは予想されていましたから、研究者達は既に普通の人々がオリジナル、もしくはそれに近いミューテーションで構成されたウイルスのワクチンに対する効果の壁を乗り越えてくるコロナ・ウイルスが登場するであろうこと見越したサンプル収集とその免疫原性の変異が入り込んだ表面抗原の解析に対応して更に追加のmRNAワクチンを作り始めていたわけで、モデルナなどは既にその様な発表をしています。

残念ながら直近のリサーチの一つでは現時点でのアストラゼネカのワクチンは南ア型には効果が無さそうだとか、ファイザーのものは英国型の変異には今の所大丈夫そうだとか出てきていますが、それも3rd・4thの変異が獲得され、それが感染性に影響を及ぼすような表面抗原の変異を誘導した挙げ句、更に内的な変異によって病原性に大きな影響を及ぼすような変異が入ってきたときが怖いですね。

更に病原性に変化がなくとも感染性に大きな変異があると、今までは余り感染性という意味で問題がないと言われていた子供や若年者にも拡大を見せてくる可能性があるわけで、そうなると次に来る地獄は・・・となってくるわけです。(実際に現時点のブラジル型変異はどうやら子供であっても、オリジナルよりもかなり拡大傾向が強そうだと言われているようです。)

今の政府の緊急事態宣言の早期解除は今のワクチンの配布状況を見る限り、確実に悲惨な春以降を予想させるに十分な「燻り状態=下げ止まり」を見せています。医療従事者としては大変に不気味なアイドリング時期にしか見えません。


2021年3月22日月曜日

そんな事があるのか?

NCAAのMarch Madness真っ最中です。

もちろん、アメリカの男子カレッジバスケットボール・トーナメントのトーナメントのこと。ここ最近、チョロチョロとバージニアの母校VCUのチームの成績をチェックしていましたが、結構負けがこんではいてもなんとかNCAAのトーナメントにシード10としてでてきました。

今のコーチは、私がリッチモンドに居た頃はまだいわゆるペーペーの助手みたいな感じでしたが、少しずついろいろな階段を登りながら一旦はVCUを出たあと、他のチームのコーチに就任していましたが、最終的にVCUに戻ってきたわけです。

そして今回上に書いたようにきちんとトーナメントに「普通に出てこれるチーム」を作り上げたわけです。

ところが、今回悲しむべき事態が発生しました。シード7のオレゴンといよいよ試合となるまさに直前にCOVID-19に対する陽性反応が出てしまったのです。選手の誰とかチームの関係者とかも一切当然のごとく明らかにはされていないのですが、誰が陽性と出たのかはオープンにされないままNCAAはVCUが残念ながらトーナメントで試合をすることが出来ないとの冷たい宣告。

ニュースを見ていた私自身でさえ衝撃の展開でしたが、実際に現地で何度も検査を受けつつ万全の対応をもってコロナ対策プロトコルを完全に遵守してもかかる時はかかってしまうのがこのコロナ。実際にチームが受けた衝撃は如何程のものかまさに想像を超えるレベルのものでしょう。

気の毒とかいうレベルを遥かに超えている話ですが、これがコロナ時代の現実。彼等の代わりに次のステージに向かったオレゴンは既に28日のsweet 16へと歩を進めております。

こういう事も含めて、勝負というべきなのでしょう。運を手繰り寄せた者の勝ち。強い者の勝ち。人生そのものなのでしょうか。であれば、これからの巻き返しも若い彼等には起きて欲しいと思います。

それにしても、嗚呼・・・。コーチの心の嘆きは如何程のものか。


2021年3月21日日曜日

浪人を選んだ子供さん

看護師さん達も沢山いると春になれば悲喜交交。

一本に絞って受けた希望の大学に受け入れられず再起を期する子供さん、いくつか私立を受けて数校に受かったとは言え本命には受からず、悩みに悩んだ末やはり本命がどうしても諦めきれず御両親に相談したところ「再挑戦すべし!」との応援を受け浪人を決めた子、私立も公立も併願で受けたところ私立の幾つかに受かってはいるものの、やはり国公立が諦めきれずに長く悩んだ末やっぱり浪人生活を選択した子など様々なようです。

昨年は私の周囲の看護師さん達のお子さんは比較的自分の選択として浪人などはせず素直に自分の受かった学校に行ったお子さん方が多かったようなので、今年は「私の周辺」という極めてマイクロな少数統計上は反対の傾向でした。

その中で私の病棟の看護師さんの一人の娘さんは結局滑り止めには受からず、その上と思っていた私立の大学に2つ受かったもののやはり「希望する国公立への夢」絶ち難く、シングルのお母さんに頼み込んで入学金や授業料等で90万近くの全国的に有名なK塾に入ったとのことでした。

これから更に夏期講習や冬期講習、直前講習などもこれから来るわけでしょうからやはり平均すると月10万は(家からの通学としても!)塾代にかかることになりますね・・・。

私自身は塾に行けるような経済状態の家庭には生まれなかったので、以前書いたような顛末で医学部を受けたわけですが、遠く広島に住む高校の頃の同級生の娘さんも一浪してきちんと成績を上げて広大の医学部に受かっていますから、今年浪人を選ばれたその看護師さんの娘さんも他人の子供さんながら「努力の甲斐」あって希望校に受かると良いよね!と心から思いました。

国公立に受かりさえすれば、来年度使う塾代はきっちり安い授業料という形で払い戻しされますし、更に良い会社選択のチャンスも与えられるようですので、頑張って欲しいものです。

それにしても、受験とか子供達も含め、もう俺には関係ない世界になっちゃったな~。


2021年3月20日土曜日

体調不良

ここ暫く体調が良くありません。

あんまりこういうネガティブかつ個人的なことは書きたくもないのですが、今日うちの病院の循環器の先生に2年ぶりの心エコーをしてもらったところ、やはり14年前に行った僧帽弁の手術跡で中程度の逆流(漏れ)が見られると言う事でした。まあ、駆出率自身はそう問題のないレベルだったのですが、やっぱり日常での息切れ感と疲労感が以前、僧帽弁の腱索断裂で僧帽弁閉鎖不全症になった時の感覚と非常に似ているのです。

結局、以前のような急速な症状進行に伴う心不全症状と下腿の浮腫などは「まだ」出ていませんが、もしかしたら以前のような症状が出てきたらオペを選択するような事になるかもしれませんが、まずは一度更なる精査を受けておくべきかと思いますので、まずは循環器の先生に「評判の良い東海圏の心臓外科医」をコッソリ紹介してもらおうと思います。まあ、この症状の発端がそもそもまだ循環器と限ったわけではないですけどね。

少なくとも、内科的にみてオペ適応なのかどうかということをもう少しドライな眼で(私とこの先生は個人的に親しすぎるので、却ってバイアスがかからないとも限らないので!)オペの適否の宣告していただける人を探そうと思います。)

まあ、オペを受けないといかん時はさっさと諦めて再度の手術ですな。以前リッチモンドで受けた時には「こりゃエラい。二度は受けんでいいわ。」と思ったものですが、そこはそこ、辛いことは忘れ易いという私の特性が良い方向に働いている為かと思うのですが、全く恐怖心なんかはありません。

また、前のときみたいに身辺整理と遺書の準備をせなアカンかもしれませが、こういうのはミニマリストの私としては結構簡単に済みそうです。まあ、万一のときも嫁さん達は日本であれば質素な生活をしていれば家もそのままローンを払わんでよくなりますので、問題はないと思います。

患者側になるのも結構慣れていますので、万一の場合も問題はないでしょう。

2021年3月19日金曜日

初ズーム飲み会

ひと月ほど前からメールで呼びかけのあったリッチモンド時代の研究者仲間とZOOM上で飲み会をしました。

私自身はいままでZOOMをオフィシャルなミーティング以外では使ったことがなくて、世間で流行りらしいオンライン飲み会というのは初経験。新型コロナの流行っているこんなヘンテコリンな時期だからこそ開催されるようなものです。

本来であれば、この仲間達とは横浜や名古屋で実際に顔を合わせて普通に酒を飲み、美味いものを食べるというパターンでしか会っておりませんし、この一年ほど前までのLINE等での話し合いでは新潟とかその他の酒や食い物が美味いエリアに誘い合わせて出掛けて行って飲み尽くす、食い尽くすという「泊りがけ」での再会を約束していましたので、久方に再会できるとは言えちょっとだけダウン・グレード。

とは言え、約束の時間の9時が近づくと次第にソワソワしてきました。何しろ久し振りの全員一斉再会ですからね。実は後でメールを読み直して気づいたのですが、本当のミーティングは8時に変更されていたので、私は30分ほどの遅刻で画面に登場し、2年間寝かせておいた獺祭の封を切ったのでした。

その時点で画面には三人でしたが、千葉の先生もその直後に画面に登場されて名古屋、新潟、横浜の人間が一同に会しました。思わず全員がニコニコと自然に笑みが漏れる状態で乾杯。(新潟と横浜の先生は既に飲み始めて居りました。)

アメリカに居た頃は生まれてもいなかった娘さんや、アメリカからの帰国直前にはまだ赤ん坊だった男の子がもう大変に利発そうな顔の男の子に成長しているのを画面越しに見て何十にも驚かされました。直ぐに互いの近況報告・研究の様子、日常臨床での日々の努力などが伝わってきて私自身も彼等に「恥ずかしくない」日常を過ごさねばと改めて感じさせられた三時間でした。

無論、学問的な話だけではなくて所謂boy's talkも若干混じりましたが、全体をとして意外と堅い話の連続で、四人だけで腹を割って話して「誰にも漏れない」という互いの信頼関係の中でいろいろと次のステップの話などをしました。

最後の瞬間には最初に書いたような「ポスト・コロナ」に行われる温泉での再開を約して散会となりました。

獺祭はほぼ一本無くなりました。

2021年3月18日木曜日

うれしくない知らせ

義理の父が咽頭がんであることはずっと前にここに書きました

数度の大手術を乗り越えて、放射線治療を行って声を失っても更に普通に元気を保っていました。仕事は勿論、ゴルフも普通に。長崎でお世話になった別の方の法事で帰郷したときも元気にして普通に暮らしていたのを見ていたのですが、今回の定期検診ではここ暫くの定期検診では繰り返し陰性であった幸運が破られてしまいました。

今日、仕事をしている時に義理の母と妹からLINEが入り、定期検診に行った義理の父の喉から数箇所の新規転移が見つかったとの悪い知らせが入りました。ファイバースコープの写真も添付されていました。

今後の治療方針としては抗癌剤の使用や放射線照射などが考えられていますが、どうやら先ずは抗癌剤の服用を検討するようです。私としては血液データの安定的推移や気分不良の出現程度の低さを願うばかりです。

何と言っても既に7年前から始まっているこの咽頭癌の治療。高齢であるにもかかわらず、何度ものオペを乗り越えここまで元気に生活してきた義父のことですから、これからも病と真っ直ぐに向き合って必ずや乗り越えていってくれることを信じています。皆、毎年歳をとっていきますが、少なくとも皆元気で80を超えるようでありたいものです。

皆ほとんど誰もが生きているうちに何らかの病を大なり小なり得ますが、一病息災で過ごしたいものです。

最後にもう一言。「喫煙は百害あって一利なし」明日にでも止めましょう。

2021年3月17日水曜日

ヒリヒリするような緊張感

常に情報を集め、正しく判断し、先に動いたものが勝つことを歴史で示してくれる映画を観ました。

タイトルとおおよその中身は知っていましたが、観たことはありませんでした。しかし、たまたまアマゾンのprime videoでこのタイトルが出ているのを見つけてトレーニングをしながら横目でずっと観てしまいました。単刀直入に言うと「観てよかった!」となります。

2001年の映画ですので、既に20年も経過しているのですが、起きた事実が既にほぼ60年前(1962)ということを知ると、その時間の経過があっという間だという事実に感慨一入です。

ほぼ推測と事実を混ぜたドキュメンタリーとも言える形式の映画ですが、不断の情報収集から得られたキューバにおけるソ連の核ミサイル配備の情報を直ちに分析し、どの様な対応策を次の一手とすべきかをありとあらゆる人間達がギリギリの知恵を絞って次から次へとその駒を進めていく様子はその緊張感が時間と場所を超えて伝わってくるようで、観ているこっち側も疲れるほどの流れです。

謀略が渦を巻き、大国同士の駆け引きと駆け引きが交差する中で何が正しいのかを次々と決断し続けなければ億単位の人間が死ぬかもしれないという喉元にナイフを突きつけられた状況での高度な判断を繰り返さなければなりません。小さな間違いが大きな間違いに繋がるリスクの連鎖やその間違ってしまった状況をひっくり返すための新たな考察など、スタッフと大統領が短期間に行い続ける極太のストレス下での決断はJFKが45歳の若さの時のものですから、日本の耄碌した人達の恐るべき低レベルの決断を見続けている我々からすると驚き以外の何物でもありません。

国も若く、指導者も若かったあの頃のアメリカの勢いを感じましたね。しかし、こういった交渉ができるのは何時でも有事に即応できる強大な軍事力を持っているからこそ。そして常に相手を上回る情報収集力を磨き続けているからこそ。

情報は抜かれ放題、内向きの人間が集まるお役所の情報収集力はお寒いレベルで、更に悪い事にはその情報分析力がこれまた凍りつくほどの中身。いつも現場の対応力に頼リ続ける日本の政治は戦前も戦後も常にやられっぱなしです。そもそもが情報収集・判断能力が成立さえしていないので、崩壊という言葉自体が成立しないのかも?

さて、今の日本政府に国富をもたらす何が一体出来るのでしょうか。

2021年3月16日火曜日

名古屋のワクチン・ショットは少しずれ込むか

現時点で私達の病院に入ってきている最新の情報では、新型コロナウイルスに対するワクチンショットは4月にずれ込むことが確実となりました。

多分、4月の13日だろうとのお達しが有ったとの話を医療連携室から伺いましたが、以前もそんな感じで話を聞いては後ろへ後ろへとずれ込んでいますので、こればかりはあまり信用できません。

それともう少し追加的に明らかになったことは、我々の病院は周辺の医療機関に勤める医療従事者に対するショットも3桁に人数でアシストする必要が有るということでした。それ自身はもとからある程度囁かれていたことなので、「ああそうなんですか」と言うくらいのこと。

そもそも院内の職員と患者を併せて1500人前後のショットの責任を負っておりますので、積極的にショット数を増加させることで少しでも院内外の感染リスクを減らしていくという医療社会事業的責任を果たす必要がありますから、こういう要請は責任の一環ということでやれるだけのことはやろうと思います。

しかしながら残念なのは日本のショット数。下のグラフは最多のイスラエルからズラズラとメジャーなショット済み国家をアクティブにグラフ化された状態で示していますが、本日までの状態でのイスラエルの突出したショット数が羨ましい限りです。アストラゼネカで凝固系に関するある程度の問題が起きているような報告が聞こえてきますが、ファイザーは今の所もっとも問題の無さそう、かつ最も効果の高いと判定されているワクチンですので、最初のショット群に入っている我々はやはり「今の所」幸運なのでしょう。
人口の遥かに少ないイスラエルと比べるのはそもそも間違いですが、一体全体何時になったら我々日本は(少なくとも1回目のショットを終える人が)10%を超えるのでしょうか…。

今年の末のパーセンテージが気になるところです。

2021年3月15日月曜日

職場の困ったちゃん

やっぱり恥を知らない、感じないというのは最強(凶)だと思いました。w

細かいことを書くと誰の何に関する話なのか何処かの誰かに特定されるリスクがありますので、いつもの如くディティールは隠しますが、一旦病棟で師長に「ここは私の働く場所ではない!」と啖呵を切って出ていった数日後に「やっぱりお礼奉公の残りの一ヶ月があるので後2ヶ月ほどいて辞めます。」といって平然と病棟に戻ってきた時には病棟の誰もが「・・・」となっていました。

どうやら看護部長には辞める旨は伝えずに病棟師長にだけその事を伝えたようですが、そんな事隠しても数分後には看護部長には確認の電話として伝わりますが・・・。

トランプを見ていても判ったように、恥の欠如と無自覚の持ち主というのは周りに多大な迷惑を撒き散らしながら前進していきます。例えば、発想のおかしい人が己の都合「のみ」で予定を勝手に組み替えて、他の人が勤務を無理やり増やしたり日勤からそのまま夜勤に時間を伸ばして働かざるを得ないような状況を作り出しても、「私には子供がいますから」という自分の内なる都合を若い子や同僚に押し付け続けるようでは職場は回りません。

そもそも、そういった事態が己の生活に付帯すると事前に判っているのであれば、その職場で働くべきではないのです。病院には保育施設も付帯しているのですから、それを使わずに自分の都合だけで朝や昼の出勤時間を「自分で」設定して、何と言われようとその時間にしか来ないとか私から見ると「ある意味、スゲー根性だな。w」という感想しかありません。

どうやら前の職場でも事情を知っている人のはなしではそうだったようで、そもそもこんな人間雇うなよなって話で、選んだ最終責任者は腹を切れって話ですが、日本はアメリカと違って次の入職に紹介状を持参するシステムではありませんので、どんな人物でどんな瑕疵物件なのか実際には判らんままですわな。

そういう意味では日本の就職用の一般的な履歴書は本当に大きな欠陥のあるシステムだと思います。紹介状は必須という様に変えないと!

まあ、それはそれとしてこういった困ったちゃんの困った行動のせいで、暫くの間他の人達にしわ寄せが来て、ストレスが増しそうです。可哀想に。

2021年3月14日日曜日

夜に慌てて買いに走る

慌てました。久し振りに。

昨夜は夜の7時過ぎにずっとブログのタイトルを考えていたところ、なにか気になることが心の底にずっと澱のように留まって座り込んでいたのですが、それが8時直前になって突然爆発しました。爆発直後に明らかになったのは私の心配の種は「明日のバレンタインのお返しもの」の事だと判明。

「あいや~、やってもうた」と気づいて頭の中で「どこで何を買う?」ということに思いを巡らせ始めたのが8時5分頃。すぐに頭の中に浮かんできたのは長久手のイオンモールの二階にあるGODIVAでした。

直ぐに検索エンジンを呼び出してキーを叩き営業時間を調べたところ店によっては10時まで、いくつかの店は9時までとなっていました。すぐ衣服を着替えてキーを取りマスクを着用してイオンモールへ到着したのが8時30分頃。途中で「一部の個別にチョコを下さった先生などにはスパークリング・ワインが良いかも?」等と考えましたが、実物を酒屋の棚で見て「これはアカン」というのしかなかったため、気を取り直してGODIVAの陳列棚へ直行。

すると、既に義理返しの方々なのか男性客が数人店の前で並んでおりました。私もガラスの陳列棚の前へ行って、手頃そうなものをそれぞれの病棟や人の顔を思い浮かべながらピックアップしていきました。たったこれっぽっちのチョコが3000円前後とか「ええ商売しとるの~君らは」とは思いましたが、そこはそこ。ここの容器は一種の記号であって味は関係ないのです。いわば名古屋における松坂屋の包み紙と一緒。

上納金をカードで収めて店を出たのは9時直前。店にはまだ沢山のお客さんがあちこちに居りましたが、やはり皆マスクはしていましたね。これを持って明日は一日遅れの「義理返し」に病院で数分間を使わなければなりません。

下らないと解っていて自ら嵌められに行っているチョコレート業界の戦略。オッサンは情けないです。もうバレンタインのチョコとか俺にくれるな!来年こそはブラックサンダーを返そう、と心に固く誓う私でした。w


2021年3月13日土曜日

あそこが痛いここが痛い

高齢者の人達を診察していると、多くの場合「痛みとしびれ」にも話が及んできます。

無論、敢えてこちらが問診でお話を振っていくことでそういう内容を引き出すことも多いのですが、実際には入ってくるなり手足の痺れや痛みを訴える人も多いわけです。多くの人はかなりの割合でいわゆる慢性疼痛という状態であるのですが、その原因は多彩。

頚椎症、種々の理由に起因する脊柱管狭窄、変形性の腰椎症や膝関節炎、すべり症、手根管症候群などなど原因は多彩。骨粗鬆症による全身の骨の脆さが原因で椎体のあちこちに圧迫骨折が発生したりしていることも全く普通なんですが、これに対する経口投薬や注射を行うことでその進行を抑え込んだり、ブロック、貼り薬、飲み薬、塗り薬などその対応もこれまた多彩。

保険で許される限りの湿布薬を毎回持ち帰りたがる人達も結構居られますが、こちらも言われるがままに出すわけではありません。

痛みと言っても実際にはこういった変形や変性に基づくものばかりではなくて内蔵や神経の疾患からくる命に関わる深刻な疾患が後ろに控えていることも稀ならずありますので、こちらも「痛みがあるからそれを対症的に消す」という事だけを考えていると大変なことになる事がありますので慎重にならざるを得ません。整形の先生がしばらく前から出していた痛み止めの薬がいつまでも効かないし増量せざるを得ないなんてときに実は癌の骨転移がその原因だったなんて言うのは医療の世界では掃いて捨てるほどあります。

画像データや血液データをじっと診てもなかなかそのオリジンがわからない痛みというのもたくさんあって、人の体にとってあり得ないほど素晴らしい「センサー」である「痛みと体温」という2つのアウトプットのうちの一つ「痛み」だけをとっても無限にいろいろな原因があるもの。私のようなヤブ医者は本当に毎日その診断と戦っているようなものです。

爺さん婆さんになっていくと上記のような理由であちこちが痛くなっても、ご本人が「ああ、歳は取りたくねーわ。笑」とか「だましだまし死ぬまで痛みと付き合わんとあかんな」等と言って入るのを聞くと、患者さん達の長い話を聞きながら「ああ、俺もこうなるのはそう遠くないな~」等と内心で苦笑している己の存在を客観的に感じてしまうのでした。

人生、長いようで本当に短いものです。

2021年3月12日金曜日

長女がリッチモンドで1回目の新型コロナワクチン・ショット

リッチモンドでリモートで仕事をしている長女から昨日テキストが入りました。

「明日、ショット一回目を打つよ」とのこと。彼女の場合選択肢は2つあって「Johnson & Johnson」か「Pfeizer」だったそうです。曰く「パパのお勧めに従ってファイザーにした」とのことでした。

実際に一日経過して彼女からその時の写真とかが送られてきました。以下にその時の会場の様子を数枚写したもの貼っておきます。
リッチモンド・レースウェイ!で行われたそうで、先ずは外で待っているところです。
中に入って順番待ちのところですね。
中ではノートパソコンで受付を済ませてGo!です。
上の写真を見てみるとSocial Distandceを守るように書いてありますね。それに中ではアメリカらしく当然のように軍人さんがアシストに入っているようです。日本だと基本、民間人である医療関係者のみですがそういう事には全くアレルギーがないのがアメリカですからこの点に特にコメントはありませんが。

ムスメ的には「アメリカだからあんまり期待していなかったけど、全部で45分で済んだよ!」との事でした。ファイザーですから3週間後に二回目のショットですね。

打った後、夜になって「少し腕がちょっとだけ痛いかなー」というメッセージが有りました。遺伝的に私と娘はシェアするものが多いはずですから私も打ったら腕がちょっとだけ痛いのかもしれませんね。

アメリカでつい先日広報されたようですが、ワクチンを打って指定された期日(2週間)を過ぎた者同士はマスク無しでも会ってよろしいとのこと。(実際はもう少しsituationごとに説明がありますが、基本はそういう事。しかしマスクの着用は規模が大きくなればやはり推奨!)ただ、今の時点ではワクチンを打った者が二次的にウイルスを広げるリスクというのは例え発症しなくてもどれほどのものなのかというのは未だ決定的なデータはありませんので、疫学的調査の結果待ちですね。(多分イスラエルからのデータが一番速いか?)

まずは我が家では長女が一番乗りとなりました。ワクチン接種証明書を持って一旦秋にでも帰国するかも?

2021年3月11日木曜日

あの日からもう10年・まだ10年

今日のTwitter上には日本にある各国大使館・領事館・駐在事務所等による哀悼の表現が溢れかえっていました。

今を生きる日本人にとって3・11という数字が現代のアメリカ人にとっての9・11のように意味のある数字となってしまいました。しかもアメリカ同様にネガティブな記憶の一日として。私達の家族はあの時アメリカにいましたが、あの時アメリカのニュースで一日中流れ続けていた震災と津波の映像をみて涙ぐんだ事を昨日のように思い出します。

同じことは1・17の阪神大震災の映像を見ていた当直の時の鮮明なイメージとも重なります。既にここにも以前書きましたのでそれを再びは書きませんが、有り得ない程の巨大な災害は人の心に深いネガティブな記憶を刻み込みます。そしてその災害の発生した現場に居て実際に被災した人々の心の傷の深さは、やはりそれを見ていただけの人々の心の傷とは比べることの出来ないほどのもの。

あそこに居られた多くの方々が親、配偶者、兄弟姉妹、子供、友人、隣人、知人を亡くされ、その喪失が繋がっている1人ではなく幾人も同時に重なる等ということも多発しましたがまさに日常の世界ではまずあり得ません。中には家族の中の親子何人も同時に亡くされた方々も。

そんな事は非日常、しかも大規模な戦争くらいしか発生し得ない事。そして非現実的であってさえ戦争はあってはならないこと。それが突然の地震と津波で瞬間的に強引に引き裂かれる等ということは亡くなられた方は勿論、残された方にも有り得ない悲しみを残したことでしょう。正直アメリカに居ただけの私には到底想像もできません。

最後の一言を残せずに別れ別れになることを「無念」と言わずして何と表現するのでしょう。

3月11日が防災のマインドを喚起しあの日のことを思い出すイベントや追悼記念番組が放送されるだけの日ではなく、まだたったの10年しか経っていないだけでなく、未だにあの大地震の余震と言われる大地震が続いている今の日本。

こうやって今ブログを書いている私自身も南海トラフ大地震がこのエリアを襲ったら本当に「一瞬で」他人事ではなくなります。天災は忘れた頃にやってくるではなく、忘れなくても確実にやってくるもの。

水、食料、避難場所、簡易トイレ、そして非常用電源くらいは確実に保持しておきたいものです。亡くなられた方々の死を無駄にしないことはせめてもの供養ではないでしょうか。私自身ももう少し備えを充実させたいものです。


2021年3月10日水曜日

貧しくなっている日本

相対的貧困という言葉で、教育や食事に関して子供達から確実に感じる日本の貧困。

しかし、私は看護師さん達のみならず他の職種の若い人達の話を聞いていても日本がここ30年ほど感覚的にはピクリとも動いていないと感じたのですが、実際にそれを独立行政法人の労働政策研究研修機構のデータを見て「やはり」と確認せざるを得ませんでした。
上のデータは新規学卒者初任給(男性)1976年~2019年のものですが、給与がいわゆる右肩上がりで上昇を続けたのは93年位までで、あとは対数グラフ上の賃金上昇ですか?というくらい見事に伸びがなくなっています。意外なのは男女差って「あんまり」ないんです。しかし女性の方も見事に歩調を合わせるように同じ年月同じように伸びが全くなくなっています。この4-5年こそ「ピクリ」くらいの動きを見せていますが、この間に伸びてきている他の国々との差の詰まり具合を見ると、いくら日本が先進国先進国と自称していても技術などとは別に国民一人一人の購買力と言う意味では相対的に次第に貧しい国になっていくのは当然といえば当然ですよね。ただ、それは周りの勢いのあるアジアの国々が追いついてくるという意味であって、あくまでも相対的なものと思いたいところですが・・・。

これ、結局は世界の中での日本の経済的力(最終的には国民一人ひとりの平均的経済力)を示す相対的貧困とも言うべきもので、今の時代における日本の相対的地位の低下を示しているものでしょう。しかし結局の所、他の多くの国でも最終的にはどこかで日本のような停滞期から衰退?に入る国も人口の減少や国家の経済政策の失敗などに伴って同じ様な運命を辿る可能性は何時でも有るわけです。

しかし、これからますます人口の減っていくことが確実な日本。一体どこまで落ちるのかそれともどこかで優雅な衰退を楽しむ大英帝国のような状態になっていくのかと思って人口の推移を調べたら、なんとこの40年で逆に1000万人も人口が増えておりました・・・。(収入にはほぼ動きはありませんでしたが。)

無知でした。ショック。少なくとも人口が増えていく国には何らかの勢いがあると思うんですけど、その影響が国家の反映の差として出てくるのはこれからなのかな?(Brexitでまた落ちていくのかも?)

企業の方でもやはりなんとかして賃金を上げていけるような努力ができないようだと最終的には全体の購買力の低下という形で日本全体が渦の中心に吸い込まれるようにゆっくりと衰退していくようなことも起きかねないのではないのかとぼんやり思うのでした。


2021年3月9日火曜日

女子アナ嫌い

この前LINEに入ってきたニュースをみて全くタップせずに画面の写真だけ撮って捨てました。
それが以下の写真。
日刊スポーツというのがそういうものをメインで報道するメディアだという事を知らずに、LINEの購読要請に従ってテキトーにチェックしたメディアだったので、それに文句を言う事自体が筋違いというもので、悪いのはまさに己自身なのですが、8つのタイルの内、5つがアナウンサーの話とかこれ一体なんかのアナウンサーの追っかけ新聞か?と思った次第。

そもそも、昭和のオッサンたる私にとってアナウンサーというのは古谷綱正クロンカイトのようなその時点で得られた可能な限り客観的な事実に己の見識を追加してタイムリーに視聴者に伝える。しかもその時点での正当な日本語や英語で!という人々。

その多くがどっかの有名私大を出たミスXXXXとか言う経歴(これって経歴か?w)と怪しい日本語と浅い浅い人生経験?をもった20代半ば前後の苦労知らずの舌噛み娘達をどうやって客観的にキャスターとして見ろというのかということ。そもそもそんな事は端から無理でして、あんたらの私生活にもスキャンダルにも顔にもなんにも興味がありません。

美形としては中途半端でモデルには程遠いし、知性の程はといえば皆様有名大学の学歴にそぐわぬというか、大学の名を落とすような残念な方が多い印象。使う日本語に至っては残念を超えて怒りを覚えることが多々。「言葉の力」で相手の心を鷲掴みにするような女子アナには未だに一人たりとも見たことがありません。まあ、そもそも自らテレビ番組を見るというアクションを取らないオッサンですから語る資格も無いのでしょうが、私が「済みませんでした」と土下座したくなるような女子アナって日本国内には居られませんかね。

知性と教養に溢れかつ相手を言葉の力で説き伏せる事ができるような女性はむしろこんなバカ放送局の作り上げている下らないアイコンにはなりたがりませんよね。そういう意味ではテレビなどには出てこないのは納得のいく話ではありますが。

既に古典となった女子アナ有賀さつき以来、彼女を含めてまともな女子女性アナというのを一人も存じ上げません。そもそも、女子アナはお前が期待するようなものじゃない!とおっしゃる方も居られるでしょうが、それこそが女性をそういう型に嵌め込もうとするミソジニストの発想ではないかと思うのですが。

オッサンの繰り言でした。

2021年3月8日月曜日

疑って疑って疑い抜く

正しいことというのは何なのか見抜くことは本当に難しいです。

世の中には無数の情報がいろいろな場所に提示されていて、その多くが実際はある特定の条件下(例えば特定の時間に特定の人の手によって特定の道具を使って)のみ再現できるようなものなのに、あたかも一般的な方法で再現できる普遍的な事実であるかのように修飾されている事柄は無数にあります。(科学論文のような誰の手によってもその方法を守りさえすれば再現できる「筈」のものでさえも、再現できないなんてことはザラにあって、そういう論文の最後は誰にも見向きもされずに消えていくか、逆にセンセーショナルなものであれば世界中から叩かれまくって科学の世界からラボと人ごと消えていきます。)

しかし、市井の人々は殆どの場合そういう厳密なサイエンス等とは関係ないレベルの世界で多くの言葉や数字に日々騙されています。職場でも周囲の看護師さんや事務員さんの話を聞いていると、別に医療などに関係なくとも家のローンの利率や宝くじ・景品の当たり外れ、携帯の契約金と容量の関係などで間違った結論に雰囲気で漂着しているのを頻繁に仄聞します。

話をよく聞いてその結論に至るまでの論理的経路を聞いていると殆どが「本当にそんな事を信じてるの?」というような私からみると怪しい情報を正しく疑わない結果から導いた結論にまさに縋ってそれ以上の思考を止めて入るようにしか見えないのです。

何でしつこく考えたり疑ったりしないのか、疑うことが仕事である人間である私からみるとその最後に縋り付く結論を導く過程のあやふやさと甘さに「・・・」という感想を持ってしまうのですが、疑うとか考えるなどという事を面倒くさいと思う人はやはりそういう教育を受けていないんではないかと思うんですね。

特に、そういう事に対して素直な気持ちで疑う・考えると言うことを通して嘘に「騙されない」人間を育てるのにいい時期はやはり小学生だと思うんですよね。この時期にまず第一弾の洗礼を与えて自分で考えるという基礎を与えて、更にそこから数年の多感な時期に種々の教育的刺激(正しくデータを解釈する、正しく推論の手順を踏むなどの教育を繰り返ししつこく!)を与えることで「目の前の情報を正しく疑う」人が育つと思うんですが、難しいですかね。

世の中に溢れかえるその手の話にはインチキ投資物件、オレオレ詐欺、新興宗教、テレビ番組の世論誘導、胡散臭いCM、いわゆる健康食品、いかなるガンにも効く薬、政治家の政策発表!等々数えだしたら本当にきりがありません。

日本人は最後の最後になると賢い人間達でさえ訳のわからぬ念仏を唱えて集団で非ぬことをし始めると喝破したのは白洲次郎でしたが、やっぱりその本質的なところでは日本人は変わってないんでしょうか。

アメリカ人があのみっともない陰謀論に先導された選挙を見せた後だからこそ、現代日本は「少しは」変わって進歩していると信じたいところです。(とても信じられませんが。<端(はな)から疑っている。w)


2021年3月7日日曜日

ジョージア(アメリカで無い方の!)

昔はグルジア、今はジョージアという国。皆さんはあまり馴染みがないと思います。

私自身もグルジアといった頃のソ連に侵攻された後のソ連の一部のエリアとしての国の状態としてしか学校で習っていませんし、習ったと言っても本当にごく表面的なもので、単語としてグルジア料理とかスターリンの生まれ故郷などと言った実に何も有機的に繋ぎ合うことの出来ないものばかり。

場所としては黒海に接して東に拡がり北をチェチェンや北オセチア、北東はダゲスタンなどと接し、南をアルメニアとトルコに、南東の端はカスピ海からの連絡を絶たれる感じでアゼルバイジャンに接しています。日本のように海を隔てて隣国に接している国からは全く想像もつかない(日本とは異なった)陸の地政学に代々悩まされている国であろうことが容易に想像されます。

私の人生において唯一確かにジョージア人の知り合いと言える人物はたった一人で、バージニアの大学で学生を教えていた頃に隣のラボに居た大学院生でした。彼の鼻は物凄く高い鷲鼻で、昔ソビエトに居たシェワルナゼ外相のような感じでした。(確かシェワルナゼというのは鷲の鼻だか鷲の眼とか言う意味があったような事を聞いたことがありますが真の意味は忘れました。)

あとは本当にジョージアと私の繋がりは無し。

しかし、頭の中ではずっとずっと考えていた事がありました。それはジョージア・ワインの話に関する歴史上のいろいろな話。クビベリという地面の中に埋めた瓶の中で熟成させる方法で、クレオパトラも飲んだと言われるワインを作った世界で最古のワイン発祥の地と言われています。スターリンに呼ばれてジョージア・ワインを飲んだチャーチルはジョージアのワインをすべて持ち帰りたいと言ったとか言わなかったとか。
その中でも私が飲みたいのはキンズマラウリ。それをいろいろと調べているうちにTwitter上でジョージア大使館とワインのつながりを発見。Twitterをフォローしているとタマダ大使というのを募集しているのをみて即応募。幸いにして応募は認められタマダ大使に選ばれました。番号は100番台でした。(調べてみると、タマダというのはジョージアにおける宴会の仕切り役みたいな人のことを言うんだそうです。)

この応募の結果ジョージアという国を知るための100のショート・ストーリーの載った小冊子をいただきました。もちろん、ティムラズ・レジャバ臨時代理大使のサイン付きのcertificationも。

この方、実は日本滞在20年以上だったかな。ほぼ広島県人。日本語が堪能などというレベルではありません。w

今月中にはジョージア・ワインを飲んで世界最古のワインというものがどんなものか体験すると同時に、その国の料理を体験するために「コロナ禍が落ち着いたら」行ってみたいと思います。知らない国を知るというのは素敵な体験です。


2021年3月6日土曜日

ダイエット法の闇に陥らずに進む

最近の体重は71キロあたりに張り付いています。

食べることに関しては特にメチャクチャな我慢は一切なし。出されたものは特に何にも考えずに食べますし、夜に日本酒やどぶろくを飲むときにも「つきあわせ」は結構パクパク食べます。食べた分は運動して燃やそうと言う感じ。

巷に溢れるXXダイエットというのは基本一切無視しています。大流行の糖質ダイエットも見向きもしないし、芸能人がよく宣伝しているX式健康法みたいなものもタイトルだけ見て鼻で笑っています。

バイト先で訪れる患者さんのお家。玄関先や部屋の中などに歴代のダイエット法や健康法の本を並べている患者さんってよく居られます。ヨガ、呼吸法、バナナ、糖質、紅茶キノコ・・・これらの本が本当のことを述べているならホンマに医者要らずです。結局のところこういった素人系のみなさんが何の統計学的裏付けもなしに書き上げたダイエット法や健康法は常に入れ代わり立ち代わり健康を探し求める無辜の人々を騙し続けながら毎シーズン登場してきます。

発行する本人たちは印税で儲けてまことに結構なことなのでしょうが、それを信じて効きもしないダイエット法、もしくは続けられないダイエット、そして効かないくらいならまだしも、体に害のある方法論を人に広めることも有るわけですから罪なものです。

アメリカでも以前ある有名なダイエット法の教祖にあたる人が突然死する事件がありましたが、なんでも極端は良くないと思っています。大切なのは中庸・ほどほどと言うのが自分のモットー。私がいつもDM一歩手前の患者さんなどに対して説明するのは「痩せるのに無茶なことをする必要はないですよ」というもの。

説明は簡単で、食べる量を今まで10だったものを8にしてください。日本昔ばなしのようなご飯の盛り方はやめてください。可能なら一日30分以上散歩をしてください。ラーメンを毎日食べるのはやめましょう。みたいな感じです。比較的シンプルで実行も簡単目ですよね?

90キロある人が80キロに減らすのは比較的簡単。60キロの人が55キロに減らすのは結構大変ですが、それでも出来ないことではありません。相手は高齢の方々が中心ですから、もう80超えてくるといろいろと制限をゆるくしてダイエットもゆるゆるにします。時々ならバーンと好きなアンパン食べていいよ~、とかそんな感じですかね。

何れにしても太りやすい「我々タイプの人間」は今後も気を抜かずに普通の方法で生きていくしかありません。変なダイエットではなく、普通のものを普通に食べて入るを減らして出すを増やすという単純な方法があるのみです。

ダイエットに必要なのは生理学であって教祖ではありません。

2021年3月5日金曜日

悲喜交々・受かっても落ちても

日本の各地で大学からの合格通知が舞い込んでいるようです。

私立、国公立とも夫々に推薦、地域枠、AO入試枠の各試験方法を変えて自分達の欲しい人材を選び出しているようですが、その御眼鏡に適った諸君には合格通知が舞い込んでいるわけです。前日に見た問題、当日の朝に目を通した箇所がバッチリ試験に出てくれた幸運な諸君もいたことでしょうが、多くはそこに至るまでの小さな努力の積み重ね。

最後にそういった「一見すると幸運」と見えるものが舞い込んでくる諸君には実際のところ前もって準備した様々なものがあったからこその幸運であって、やはり準備しない者、諦めた人間の前にはそういうものは現れないと思っています。

今回、目標の大学に受からなかった諸君もたかが一度大学入試に落ちたからと言って人生が終わりではありません。来年のリベンジでもう一度舞い戻ればいいし、下手をせずともランクを上げて次の挑戦をすればいいと思います。高校四年生の始まりです。親御さんは頭を抱えてお金の工面のことを考えていることでしょうが、頑張り続ける姿を見せていれば先ずは一浪くらいは大目に見てくれることでしょう。

個人的な話で参考にはならないでしょうが、私自身のことを思い返すと、実際に高校3年の頃は全く勉強に身が入らず当然のように一浪しました。別に秀才ではありませんでしたので勉强をちょこちょこっとすれば捲るページを次々と覚えるような能力もありませんでしたし、高度な数式を見た瞬間に出題者の意図を見抜きその心の奥まで見透かすような数学的な能力を持っているわけでも当然ありませんでしたしね。いわゆる普通の人です。

そもそも試験直前の年末に前もって親父には言っていたのですが「悪いけど浪人というものを経験させてくれ!」と偉そうに言い放っておりました。親父は何を言っとるんだこいつは?みたいな顔をしていましたが、黙って一浪させてくれました。(実際に浪人生活とはどんなものかを絶対に経験しておきたかったというのが本音でした。今でもその転移関しては親父には言ってませんが。w

1度目の国立の医学部入試の結果通知の後、親父は一枚の紙切れを私の机の上に置いてくれており、今でも忘れませんがその紙には「失敗も成功も自分の責任」とどこかから引っ張ってきた様な文句が・・・。日頃そういった格言調の事は言わない親父ですのできっとどこかから調べてきたんでしょう。その通りだなと妙に得心した覚えがあります。

それから一年の間は先に合格した友人たちが私に悪い遊びを教えに来たり、夜中に麻雀のメンツが足りんから来いと言っては私の家(当時はアパートの2階に石礫を投げつけて呼び出しをくらい、夜明け直前まで酒を飲みながら麻雀をして原チャリの後ろに乗って朝帰り。アパートの側壁を猿のように登って家に戻って何事もないかのように寝ておりました。)まあ、塾とかに行く金は当然貧乏な我が家にはなかったので、家と高校を往復して学校の先生に解らないところを聞きに行くようにして自分で弱点補強という感じで勉强。1年後には何とか医学部に合格しましたが、親父は浪人を始める前に一言。「俺は大学行ったことがないから何も勉強のことはわからん。でも医学部はきっと難しいんやろうから3浪迄は許す。後は働け。」と淡々と言われました。私の返事は「了解、解かった。」でした。

幸いにして浪人は一度で済んだし、貴重な浪人経験まで出来たわけです。親には迷惑だったでしょうが今でもそこは感謝しています。

そういう経験はあとになってその人間に他人の失敗を受け容れる為の幅をつけると今でも思っています。ですから私の次女が大学で転科したり一旦休学させてと言ったときも敢えて理由は聞かずにその選択に従いました。己はやっておいて子供には駄目等という偉そうなことは口が裂けても言えませんので。

人間万事塞翁が馬と言います。私自身は医学部合格していなかったら本当のところは香港に言って貿易商をしようと真剣に思っていましたので、合格した事自体が良かったのか悪かったのかは今でもわかりません。でも、実験をしたアメリカの時間も良かったし、今の仕事も愛してますのでそれはそれで良かったのでしょう。失敗は必ずや自分の血となり骨となって更に強い自分を作ってくれます。後に合格してしまえば浪人していた頃のことは本当に人生の良い思い出です。(合格しなくても別の良い人生はいくらでもあり得ます。)

何れにしても選択は一つではありません。ネジは巻き直して次のササッと一歩を踏めばいいだけです。何があっても己の命を断つようなアクションを取る必要はサラサラないし、落ち込む必要もないのです。大学なんぞ行かんでも世間で成功してる人なんて掃いて捨てるほどおりますし、日本だけが己の人生の勝負の世界ではありません。死ぬ気でやれば何れの方向かに必ずや突破口が見えてくることでしょう。大事なのはやり続けること。

受かっても浮かれず、落ちても淡々と次を頑張りましょう!


2021年3月4日木曜日

学歴・資格・仕事

最近少し呆れることがありました。

40歳くらいになったばかりの看護助手の女性。高卒資格をとって貰おうという企画で毎度やっているアシスタンスの第一ステップで判明したことだったのですが、中学校卒業で学歴が止まっている理由を聞いて呆れるやら頭にくるやら。

以前もそれに似た女性の父親がいたのですが、やはりこの女性の場合も「女の子が学校に行く必要はない」という江戸時代か?と言わんばかりの今時有りえない理由でこの女性が中学生だった頃から勉強しようとすると教科書を破ったり、宿題をしようとするとそれを捨てたりなどというとんでもないクソ親父ぶりを発揮していたそうです。

これは明確な憲法違反であって国民の三大義務のうちの一つ教育を受けさせる義務というものを侵害しています。教育を受けるというごく基本的な権利も犯しているわけです。今でこそ当たり前に男女共に、そして肉体的精神的障害があろうと当然の権利として日本国は全力でその権利を保証する責務がありますが、それを正面から堂々と侵害する糞っぷりを発揮していたわけです。バレれば明確に犯罪ですよね。真剣も剥奪されて良いと思うんですが。

こんな輩が未だに日本にいた事自身私にとって極めて驚きですが、やっぱり存在するということです。私から見て更に残念なのはこの女性自身は大変に地頭が良くかつ仕事をテキパキと済ませる能力を持っているということ。

若く、能力を最も適切に伸ばせる時期にこういうネガティブな介入が入るのはその人の人生を文字通り「破壊」してしまいます。まさに羽化して羽根を伸ばしていま翅を固めようと木の枝にぶら下がっているセミの翅を弛(たわ)めてしまうような行為でしょう。良くてももう二度と「上手くは」飛べないのです。最悪「全く」飛べずに地面を這いずり回るわけです。

私は学歴を不要とは言いませんが(学歴というのは教育過程についた単なる経路の記録です)、人の能力を伸ばすために学習の機会を与えることは絶対に欠かしてはいけないことだと思います。その延長線上に能力のさらなる開花とその人の更に豊かな未来があると心の底から信じています。

それによって仕事を得るために何らかの資格を得て、その上で「自分の本当に選びたい仕事を選ぶ」という次の大事なステップへ進める可能性が高まるわけです。そのチャンスを潰したクソ親父はまことに裁かれるべきだと思うのは言いすぎでしょうか。

2021年3月3日水曜日

令和3年3月3日

特に意味はないけれど、今日はゾロ目の雛祭りでした。

バイト先のいろいろな施設では普通のひな壇が豪華に飾られたところや横に数人並んだ高さ2センチ程度の土雛、お内裏様とお雛様(本当はこの男雛と女雛の二体ともお内裏様なんだそうです!)が二体だけ並んでいるものなどありました。

施設によってその力の入れ具合は違いますし、訪れたそれぞれの個人宅でも娘さんが居るか居ないかという差で出し方などが違っているようですが、女性が居るお家では比較的そういった年中行事にきちんと反応していたようでした。

翻って我が家はということですが、そもそも子供達が小さな頃からアメリカ住まいでしたので、この手の行事には殆ど縁がありませんでした。長女のように日本語学校にきちんと行っていた娘は学校の行事の一環として雛人形の折り紙を作ったりしていたようですが、次女になるとその様な事もなく雛人形自体も手に入れることもありませんでした。同じような事は長男にとっての端午の節句も同様で、時折日本から送ってくる紙製の鯉のぼりをチョロっと部屋に飾るくらいでした。

今でも家にはその手の飾りがなくて、徹底的に子供達の何かをお祝いする「日本における」季節の行事が欠如しています。まあ、そもそも子供達自身がアメリカの行事にしか反応しないように育っていますので仕方ありません。親が熱心に力をいれてあげないことには二文化をそのままフルに楽しませてあげることは出来ませんね。親が怠け者では尚更です。w

さて、そろそろ我が家の娘達もいわゆるお年頃になってきていますが、果たしてこれから5年、10年後にはどなたか配偶者とどこかで同居されてるんでしょうかね?

2021年3月2日火曜日

偉大な男の偉大な記録

神の如きとはこの事かと言わんばかりの爆速。

鈴木健吾さんの参加した先週末の「最後の」びわ湖毎日マラソンでの彼の速度はそう表現しても全く言い過ぎでは無いと思えるほどの物凄い速さだったと思いました。

普通に長距離の練習をしている人でかつ淡々と長距離を走れる人であっても先ずフルマラソンで4時間を切れる人は十分早い人だなと認識します。(そもそも私はこの距離を1ヶ月以内にヨーイドンで走ったら死んでしまいます。w)

友人達でいつもガンガン走っている人達でも3時間と少しというところで走れる人は私から見てもほぼ求道者と言えるレベルの練習をしている人であって、体もシャキッと締まっていて「いかにも」早そうで実際にすごい速さで走れる人達です。我々一般人の鈍足とはもうそれこそ想像の向こう側にある次元の違う走りを見せてくれるのですが、その人達に言わせてもまず3時間を切るなんて言うのは「ほぼ今の練習と年齢ではムリ」と言うのですが・・・。所謂sub3の世界ですね。

私も低レベルながらrowingという持久系の練習をしておりますので、ある時点で全力で頑張って出した記録を1%改善しようとするとどれほどの地獄を見るかということをよーく解かっているつもりです。況や3%とかの改善があった時とかは本当にもう気が遠くなるほどきついレベルで運動しないとムリですから、3時間半は普通に切るけれども頑張っても「今の所」3時間10分程度の人が3時間を切ろうと思えばそこはきっと練習や食事などの準備も含めてその人達にとってかなりの大ジャンプになるだろうと思うわけです。

では、2時間30分を切るような人達はと言うと、それはもう確実に才能がある上に努力を重ねている選手レベルの人達であって、女性でここに行く人達はもう物凄いというレベルでしょうが、男性であっても本当に限られた人達だけが到達する世界でしょう。

私が小中学生の頃の「世界レベル」のマラソン大会のトップ選手達の記録は通常2時間15分程度でした。そして21世紀の今、特殊な方法で2時間を切るキプチョゲというサイボーグも登場しましたが、実際には2時間5分を切る全人類の中の50人ほどの人間がいるわけです。

日本人では大迫という偉大な選手がこれに肉薄していたわけですが、遂にその5分の壁を切った異次元の速度を持つ日本人鈴木選手が登場したわけで、一度100mで10秒を切ると他にも日本人でそういう人が出てきたように、練習法、シューズ、マネジメント法の進歩が追い風となって、きっとこれからも2時間5分を切る日本人選手が登場するものと考えます。

昔から恐ろしいほどの練習を重ねてきた鈴木選手が時宜を得て爆発した決して運だけでは語れない今大会の凄い記録でした。心の底から畏敬の念を抱くとともに今後も更に記録を伸ばすであろう若き逸材として応援していきたいと思います。

彼に1億出せない陸連って本当に残念な組織です。

2021年3月1日月曜日

病院でシミュレーション開始

遂に院内で師長や事務員の人達を集めて新型コロナウイルス・ワクチンのショット・シミュレーションが行われました。

ドクターは3人、師長は14人、事務員さん達も十数人。30人前後の人間で机上の案を実際に動かすとどうなるかというアクションを実働としてやってみました。予診室、待合の席の配置、実際のショットの場所の席の配置、注射器の留置場所、終了後の 待合室での時計の計時や副反応の問診と観察、更には念を入れて万一即時型アレルギーが起きた時のストレッチャーでの運び出しからERへの運び込みまでの流れの確認なども行いました。

実際にやってみるとどうなるかは最後までわかりませんが、今までPfeizerのワクチン・ショットで死亡した方はおりません。また、副反応が有るとしても多分ワクチンを包む膜成分であるPEG(Polyethylene Glycol)に対する反応が多いであろうと思われます。今日はドクター同士で話し合ってドクター同士、互いに打つショットの時間をずらして「1/200000」のインシデントに備えることにしようとしました。

今回の新型コロナウイルスのワクチン・ショットにしてもマスゴミは基本的に恐怖を煽ってセンセーショナリズムをネタに記事を売るわけですから、無辜の人々をショットを打たない方向に誘導していく力が大きいわけです。私は朝仕事に出る前につけられているテレビから流れ出てくる似非専門家や三流芸能人達の煽り説明を聞きながら苦々しい思いで家を出てきます。

残念ながら今の段階で手を上げることのなかった十数%のワクチン接種非希望者は後で希望しても「多分」夏頃まではワクチン・ショットの機会が回ってくることは無いと思われます。それはそれで良いでしょう。私はこれほどまでに全世界でその効果が証明され始めているワクチンを打たないのは殆どvaccine phobiaと言える出来事だと考えています。 

何をどう説明しても、マイクロなネガティブ情報を脳内で100倍に拡大する人達には「通じません」。それはそれでありだとおもってます。未来の不安に対する対応の差は人類にとって一つの安全弁です。みんながFirst penguinの遺伝子を持っていたら絶滅の危機もありますから。w

さて、政府からのワクチン送付は3/1と3/8だと言われています。多分私達の病院にも2週間程度でブツが届くのではないかと考えております。いよいよ期待が高まってまいりました!