2021年3月25日木曜日

長女がムリと言った事とは

長女と話していて話題になったことがありました。

最初は「アゴが痛い」ということで、顎関節症かも?という質問がtelegramのテキストで入ってきました。と言うわけでその後はVoiceに切り替えて一時間ほどの長話。その中でいろいろな話がまた出たのですが、おもしろかったのは自分の仕事の話。

彼女自身が今の仕事を気に入っているということを聞いて、ふむふむと思ったのですが、その中で自分がどんなエリアのどんな仕事をしているかということを説明してくれました。良いなと思ったのは上司が優れた人らしくやはり専門性を生かした優れたsuggestをいろいろなグラント・オファーの中に入れてきてくれて、自分の書いた文章をbrush upしてくれるというのです。

私が「それって日本で言うところの赤ペン先生ちゃう?」と言うと電話口の向こうでゲラゲラと大笑いして「私のオリジナルのオファーは赤ペンでマッカッカ!」とのこと。「いっつも感心するような良い提案とかしてくれて勉強になる~」と言っておりました。

長女自身は「大学ではいつも文章の作成に関してはトップ・ランクだったんから自信があるつもりだったけど、実務を始めてみて専門性の高いエリアでのこういったsupervisorとの遣り取りは本当に自分のためになる!」と言って声が弾んでいました。最初から尊敬できる良い上司に恵まれた長女は幸せというべきでしょう。

さて、そう言う話の中で今度は別の話が出てきました。それでは今の仕事を今後どれくらい続けるのかという話だったのですが、その中身はまた何時の日か別の機会に話すとしてその中で日本で働くというオプションに関して、可能性はあるのかということもちらっと聞いてみたのですが、Goldman Sachs等からのジョブ・インタビューのオファーなんかが有るけど、今の仕事に充実感を感じてるし、日本で働く仕事のオファーは真面目には考えたこと無いとのこと。如何にもアイツらしい。内心、逆の意味で自分のムスメのマインドのstabilityに安心しました。

で、日本で働こうと思わない最大の理由は何?と聞くと、集団の中に没して自分の言いたいことを言えない人間になってしまうようなことが嫌というもの。そして、次の理由が笑ってしまうほど低い給料とのことでした。殆どの企業が年齢依存型の給与体系で、大卒が初任給、年俸、何れにせよビックリするほどの低さということがそういう「日本で働く」という選択肢を直ちに消してしまうんだそうです。

長女の友人の男の子も日本のある企業から仕事のオファーを受けたらしいのですが、その額を聞いて即座に選択肢から「撥ねた」とのこと。能力を適正に評価して若い頃から給与で評価して買い上げるという発想は日本の一般企業にはありませんので、「それが今の日本の普通よ」と言ったら即座に長女から「ムリ」と言われてしまいました。

日本に住んでいる私としてはちょっと寂しい話でした・・・。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

初めまして。娘(30)がUSで仕事をしています。
small G様のお嬢様と全く同じことを申しております。

「ヘイトは感じたことがない。そういう人はどこにでもいる、何かにうっ憤を晴らしたいだけだからその対象がアジア人だっただけ」「USの方がずっと働きやすい。日本で仕事をするならこちらの年棒と同じぐらいのofferでなければ考えない」

親としてはあちらでの無事と活躍を願うばかりです。そして国際基準の賃金が払えないと優秀な人材も外国から来てもらえない、日本人も外に出ていく、という状況に非常に危機感を覚えます。

ブログ、いつも楽しく拝読しております。大変なお仕事ですがどうぞお体に気を付けてお過ごしください。
そしてお嬢様のあちらでの活躍が一層充実し、輝かしいものとなりますようにお祈りいたします。

small G さんのコメント...

Unknownさん

親御さんとしての立ち位置は私とほぼ一緒のようで、娘さんの年齢や発言も全くほぼ同一というのが、「内側からアメリカ人」になっている若い世代の共通の感覚なんでしょうね。
日本のおかしさは戦時体制のまま人口ボーナス期の給与体系が人口オーナス期のいまでも変わらないという点。その割りを食っているのが若い世代だとしたら、可愛そうなのは本当に若くて能力のある人達だと思います。
そりゃあ言葉と文化の壁を乗り越える人達にとっては、性別と年齢に関係なくどこの国であろうと給料の高いところで働きますよね。
日本のジリ貧はシステムをいじらない可塑性の低さに起因すると思うんですが、沈みきるまで皆いじらないんでしょうね。