2024年12月2日月曜日

ストレスだったんだ!

今日、病院の階段を降りている途中で女性の看護師が一人で嗚咽していました。

余りにも激しく嗚咽しているので驚いて足を止めて、思わず見てしまいました。相手も私が後ろにいる事に気付いたのですが、彼女の嗚咽は止まりません。基本的には病院におけるこういう「女性が一人で泣いている」という様な場面は師長さんに怒られて離れて泣いているとか、同僚のいじめに遭って云々等というパターンが殆ど。

しかしながら、ここまで嗚咽が激しいのは普通は無くて精々シクシク程度なので、これは何か深刻な事が起きたかと思って「大丈夫?」と声を掛けました。それでも嗚咽は止まらず泣き続けていました。嗚咽しながらも「大丈夫です」なんて言われましたので、そのままその場を立ち去りました。

ところが全くの偶然だったのですが、その二時間ほど後に看護部長室からその女性が出てきたのでした。もしかして?と思って部長に先ほどの話をしたところ、実は新型コロナの患者の居る病棟で働く事のストレスに耐えきれなくなって、病棟から出てきて階段で泣いていたとの事…。

「そういう感じの出来事って実は時々あるんですよ」と云う意外な言葉が部長の口から出て来ました。

やはり、強いストレス、恐怖と云うのは人をして感情のコントロール下から外れてしまうという事は有るのです。PTSDもそうですし、心の底から湧き上がる焦燥感と云うのはその人の人の殻を剥き取ってしまうのです。閉所恐怖症や広場恐怖などは判り易い例ですが。

今日の看護師さんの姿を見て、人の感じた恐怖というものをソレを感じない他人がああだこうだと論評する事は出来ないという現実を改めて肝に銘じたのでした。

年齢に関係なく、状況に関係なく、人間の感情を恐怖で押し流す状況下で仕事をせざるを得なかった女性の気持ちを考えると自分自身の「人の感情を推し量る力」というものがまだまだだな~と考えさせられた今日の出来事でした。

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