2024年12月19日木曜日

無い袖は振れない時代に

最近、開業医の先生達が呻き声を上げているようです。

「ようです」と云うのは私がそういった情報を見るのは医師専用のサイトで色々な医師が書き込んでいると思われるフォーラムを見ての感想。この一年で自分のクリニックや医院を開業をしている先生方が「もう終わり」とか「国は開業医潰しに必死」「受付も雇わず、自分で殆どやって看護師さん一人雇うのが精一杯」とか云うような書き込みがエラく増殖している印象です。

以前からそういう書き込みは当然あったのですが、この一年での増え方は半端ない印象で、株式相場の相場感で言えば「弱気」一色という状況です。

しかし、それは別に個人の病院に限らない感じでして、大きな病院に勤めているドクターからも「俺は公的病院に勤めてるから慢性赤字でも税金での補填で維持されると思ってるけど、私立なら逝ってるよな」等という発言も微妙に文言を変えて結構な頻度で散見されます。

実際の話、私のメインで勤める病院でもトータルの入院患者数は、いわゆる「最盛期」といえた時代からすると5-6%程度のコンスタントな減少を経験しています。コレは正直言って病院としては重大なインシデントで、ボーナスを出す出さないみたいなレベルにまで影響を及ぼす程の変動なのです。

そもそもがここ数年で段階的に色々な「今までの標準的な診療行為」において、以前は付いていたような加算が全く認められなくなるパターンが増えてきています。その間隔はほぼ2年毎なんですが、財務省主導でドンドコドンと切り落とされていきます。

まあ、これから残るのは自由診療と各都市の中央に残された三次救急とかなり数を絞られた二次救急ばっかりになるんじゃないでしょうか。

かなり近い将来には医療資源はかなり絞りに絞られて、21世紀初頭の医療行為のような「これから改善の見みが無い人も何とか助ける」という事が遠い昔の夢物語のように語られる日が来るに違いありません。

「無い袖は振れない」というお題目の下、財務省主導で人の命の選択は進んでいくのでした。良いか悪いかは別として、単に事実としてそういう事態が急激に進行している今の日本なのです。

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