2024年12月29日日曜日

カーター元大統領死去

カーター大統領の死亡が確認されました。

あの大平首相の時代に活動していたと考えると、恐ろしく昔の話だな~という実感が湧き上がってきます。あの!東京サミットで居並ぶ首脳陣はサッチャー、シュミット、アンドレオッティ、ジスカールデスタン等という既に近代史の教科書に出て来るような人々な訳で、その年季の入り方が解ります。

未だ私は小学生でした!w

私にとってのジミー・カーターというのは南部ジョージアのピーナツ農家の出身で、そもそもが近所の人達と集まって大工仕事をしたりするような人、かつワシントンのいわゆる「established」と言われるような連中とは対極に居る人という感じで私の中学時代に彼の事をニュースで視ていた覚えがあります。

その次に「私にとって」印象深い彼の政治家としての達成事項と云うのはイスラエルとエジプトの和平合意。未だに両国には精神的な溝や政治的に強烈な駆け引き、裏世界での暗闘等は普通に有るにしても、合意以降エジプトとイスラエルがダイレクトに戦火を交える事は無くなった訳ですから、外交では中国との国交締結も含め大きな仕事を成し遂げた人だったと思います。

ただ、経済への貢献は最低だったのは中坊の私でも連日のニュースで解っていましたし、イランの米大使館人質事件での汚点やソビエトのアフガン侵攻を許したのもアホの極みでした。侵攻後にソ連は戦場で地獄を見る訳ですが、以降のテロ組織の拡大と暗躍、延いては9/11へと続く暗くて長い道の素地の敷衍を許したのはお人好しの甘い見通しでした。

この後、レーガンという鷹そのものの誕生が準備され、彼が悉くカーターと反対の事を行ってアメリカの経済と国力が回復していったわけですが、ボロクソに言われて引退した筈の後の彼の言行は逆にいつまでも残る「善き人」としての側面を輝かしいものとして懐かしむ人々が多かったのが本当に印象的でした。

James Carter Jr. 1924年10月1日 - 2024年12月29日 100歳の天寿を全うされました。

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