2024年2月25日日曜日

真夜中の嗚咽

Amazonプライムで「ひとくず」の新ディレクターズカット版を観ました。

内容は例の如く書き記しませんが、本当に衝撃的で重い内容。しかも私にはこのような事に小さくないトラウマがある為、自分の心の傷口が痛まないように少しずつ少しずつ観ていたのですが、家族全員が寝静まって居なくなった後に残りの40分の尺を全て一気にみました。

エンド・ロールが一旦出る前にも終わりの方で泣いていたのですが、一つ目の小さなエンド・ロールが終わった後に出てきた真のエンディングでの伏線回収で堪らず嗚咽してしまいました。映画を観て嗚咽したのは本当に久し振りでしたが、言い様の無い感情が込み上げてきてそれを制御することが出来ませんでした。

暗闇の中でソファに座って画面を見つめながらボロボロと涙を流す事しか出来ませんでしたが、人間の心の中にある闇と育てられた環境の中に潜む負の連鎖が作り出す地獄。そしてその地獄を作り出す鋼鉄の鎖を断ち切る「くず」。

その「くず」の日頃の所業も生い立ちの為せる負の連鎖の剥き出しの日常なのですが、何時もしている空き巣に入った家に居た昔の自分と同じ目に、もしかすると昔の自分よりも酷い目に遭っている女の子に自分を見出した瞬間からその「くず」の中の何かのスイッチが入ります。

それは一種自分の人生に真っ黒い影を投げかけて覆い尽くしてきた負の連鎖に対す強烈なルサンチマンの暴走なのですが、そこから始まる自らが体験したことの無い疑似家族の再構成と小さな幸せの先に再び黒い雲が拡がっていくのでした・・・。

それでも、最初に書いたようなエンドロールの先に出てきた人の業の中の「救いと赦し」に滂沱の涙を流したのでした。

多くの映画祭で最優秀賞をとりまくった理由に納得です。是非観てください!

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