2024年2月8日木曜日

嘔吐患者が爆発的に発生した病棟

今年は私がアメリカから帰ってきて9年目にして初めて胃腸風邪というものが流行りました。

名古屋のみならず、全国あちらこちらでノロ等の胃腸風邪が流行を見せているという事は調べて知ってはいましたが、自分の勤める病院でそれが実際に発生すると話は別問題です。

看護師さんからの報告は最初、一日で食欲が無くなったその日の午後や寝た後に一回から二回嘔吐した人が出てきたというものでした。その後に今度また三人、その翌日に再び二人、その翌日にはまた四人という感じだったのですが、その症状がほぼ全員一緒。

殆どの患者さんは一回、多くとも二回吐いた後は下痢も無く熱が少しだけ出て終了。寝たきりの患者さんの中で、嘔吐時に誤嚥をしてしまったごく少数の高齢患者さんが2人ほど抗生剤を短期間使ったのみで熱発からは解放されました。(誤嚥した量が少量かつ肺炎も狭い範囲でした)

食事が摂れなかった間だけ一日か二日のみ点滴で脱水を回避する事で20人以上がスーッと軽快化し何事も無かったように普通の状態に戻ってくれました。しかし、患者さんのみならずそこで働いた看護師さん数名とヘルパーさんも同様の症状が出現して病棟業務は大変な状況になりました。

他の病棟から看護師を応援に派遣するというアイディアが看護部に出ていたんですが、それをやってしまうとその応援に来てくれた看護師さん達が自分の病棟に戻って行った時にその胃腸風邪を周りに…と医師側は言ったのですが、背に腹は代えられない程に追い詰められていた病棟側は泣きを入れてその禁断の果実を食べてしまったようです。

下痢にまでは至らない今回の胃腸風邪、検査キットでもノロ・ロタは出現しませんでしたが、これがノロだったらもう少し悲惨な事になっていたような気がします。

皆さんも、家族に一人嘔吐下痢症が出てきたら家族内感染と外部への感染伝播に十分お気をつけてこのシーズンを乗り越えてください!

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