秋田ではきちんと現実を受け入れて冷静に戦闘を継続していくようです。
医療関係者のクローズド・フォーラムのようなところで主に語られるような余り表立っては出てこないような話題ではありましたが、私には大変印象的な記事でした。それは「2次医療圏、8から3へと大幅減を図る訳 - 小泉ひろみ・秋田県医師会長に聞く◆Vol.1「人口減少、高齢化」という現実を直視、危機感を共有」というものだったのですが、簡単に言えば医療提供体制の基本である二次医療圏の数を大胆に半減以下にまとめ直すというものでした。
高齢化の急激な進行と生産年齢人口の劇的な低下が起こるとともに、様々な細かなファクターが医療の需給関係のミスマッチを作るとともに、劇的に減少する医療圏においては病院の質の低下を招いていくのは間違いありません。そもそも症例数の劇的な低下を見せるような病院に若手の医師が行きたがる訳もありませんし…。
そこで秋田の今後の人口推移予想を見てみると以下のような感じ。
80年間の経過で、半減では済まない速度で大減少という人口減少の先進県としての見本のようなエリアです。そうは言うものの日本の大都市圏の周辺以外の多くの県では上記のグラフに似たりよったりというのが通常の姿です。まさにつるべ落としの人口減少。今のところ、病院を統廃合するような話ではない形で話は進行しているようですが、最終的には「絶対に」それはムリな話。必ずどこかで経営の成り立たない病院の統廃合の話が出てきて、次に実際に合併とか廃院の話になるでしょう。医療圏がどこであろうと、基幹病院から遠い人は医療ニーズを満たしづらくなるという時代の到来です。今までは離島での問題であったような事が今後は陸の上でも日常に。
要するにアメリカと同じで、人口の分布にある程度従った医療サービス圏が存在し、その輪っかの中に入らない覚悟のある人だけがその医療県外で生活をすると言う時代が来るでしょう。我々の居住エリアの医療ニーズはどうするんだとか叫ぼうとも、ひと言「無い袖は振れない」という財政上の、人的資源上のバランスを超えたサービスは提供しようもないのです。物理的に!
近い将来、人口過疎地では水道代もガス代も恐らくは電気代も上昇し、道路の基盤維持は困難を極めることでしょう。それを理解した上での人口大減少時代に備えた居住地域選定の覚悟が必要な時が既に十分時計の針を進めているの令和5年という時代なのだと思います。
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