人生長くなってくると色々なことを経験するものです、
訪問診療のバイトに行っている時のことでした。午前の部の訪問診療が終了してとりあえず一旦病院に戻ろうとしていた時に帰りの道すがら道の端っこで警察車両が2台赤色灯をくるくると回していました。
運転手さんと「お、駐車違反の取締でもしとるんですかね?」とか他愛もないことを言いながらその脇を通り過ぎようとした瞬間でした。何となく気になったのはその道自体には警官が居なくて、その奥の方にある細長い公園(後で調べたら金山公園・西という場所でした)のほうに警察官達が10人ほど集まって何やら仕事をしていたこと。
後部座席の私はジーッとその様子を目線で追っていたのですが、その時オイオイ!というものが目に飛び込んできました。それは警察官の一人が現場にテレビで見るような鑑識が写真を取るときなどに使う番号札を並べ始めていた事。そして、その少し離れたところには公園によくある天井が付いている円形のベンチが有ったのですがその上にブルーシートをたった今掛けようとしている脚がだらんと地面に垂れた人が寝そべった居たのでした。
その瞬間悟ったのは「あ、死体検案の開始だ」という事。そもそもがレスキューの対象にさえならないような感じで見つかったのでしょうか、警察官達もちょうど作業を始めたばかりのところのようでしたが、見つけた人はさぞかし驚いたことでしょう。
病院に戻ってGoogle mapのstreet viewでそこを眺めたところ、その時の写真にはおじさんが一人ポツンとまさにその円形ベンチの川に向かった側に佇んでいる様子が写されていました。
「ああ、ここだ」と思わず呟いてしまいましたが、死因は何だったのでしょうか…。熱中症?循環器系などの心臓突然死?それとも脳卒中などの何らかの頭蓋内の問題?等と思い浮かべてしまいましたが、夕方のニュースなどではネットでも何の記述も無かったので所謂法医学的な呼び方で言うところの「行旅死亡人」という形の死だったのでしょうか。
人生にはいろいろなお別れの形というものがありますが、こういう街中での孤独死というのも名古屋のような都市圏では多いのだろうなとボンヤリと考えさせられた一日でした。
午後の訪問診療中もその時見た光景が頭の中からずっと離れませんでした。
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