いやはや何と言うか矛盾の塊のような施策が開始されそうです。
タクシー運転手の平均的な運転の「上がり」の年齢というのはいろいろあるにしても75歳位のようです。政府は国民の平均的な運転免許保持者達には80前には免許を返納しましょうね~と語りかけ、かつ認知症の検査を行いながらその基準に達しない人間達を振り落とそうと必死なのに、この自分達が作った流れを遡上するようにタクシー運転手だけはまだまだ「客の命を乗せて」より危険な方向に引っ張ろうとするのは何故という事になります。
基本的に田舎の過疎地ではそもそも圧倒的に運転手が足りないということでしょうし、同じことはトラック運転手にもそのようなことは当てはまります。自動運転が登場する登場すると頻りに喧伝はされていますが、実際にはカリフォルニアでの実験を見ても判る通り「問題だらけ」というのが今の時点での現実です。
そんな時代を乗り切るための弥縫策としてこのような提案がなされているのでしょうが、実際のところ今の世の中、多くのプロ運転手絡み、特に高齢運転者の循環器系の疾患に関連した死亡事故や自損事故が多発しているのは報道されている通りです。
この年齢制限の件は正直なところ、運転手に限らず医療関係者でも同様で、特に危ないのは「自分は問題なくやれている」と考えている高齢の人達。追いつかない技術と知識で危うい日常の連続です。しかも質が悪いのは出来ているという自覚はある点。
実際に私の受け持つ患者さんの娘さんが涙ながらに語ったのは、認知症が入っていても自分は自覚が無いせいで、免許が失効しているにも拘わらずハンドル・ロックを行ってもそれを壊して乗り、鍵を隠してもそれを探し出して乗り、バッテリーを外しても何処かから持ってきて付けて乗り、ということを繰り返して、「誰かに怪我をさせないか」と、恐ろしくて眠れないような日々を過ごされたと言います。
この患者さんの場合は記憶力は相当ダメージを受けていても、昔取った杵柄と言うやつで、メカに関してはいろいろと工夫できたというなんとも困ったアンバランスさを保っていたわけです。
この娘さん、最終的にはタイヤを四本とも外してそのタイヤ自体を売り払ってしまうことで解決したとのことですが、この認知症のお父さんは激怒してしまい最後に怒鳴りながら娘さん達に向かってきたとか…。話を一通り伺っていて、本当にその当時の御家族の心労の大きさに心が痛みました。
このプロの高齢運転手の問題、もう実際に身の回りでは普通ですよね。タクシーに乗ってみたらどうみても自分の親父位の年齢の方が超ゆっくり運転し、かつ最後のカードとかでの支払いの時にまごついているのを見ると、何だか申し訳なくてこちらが運転してあげたくなるような時さえあります。
こんな年齢の(恐らく持病も幾つかはあるであろう)運転手さん達が夜勤とかで運転したりしていて、疲労を蓄積させ本当に何の支障もないのか?私には大いに大いに疑問です。
そろそろ行政は地方都市の受け容れるべき限界を理解しないと、日本は本当にろいろと大変な事故が多発するのではないでしょうか。
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