=昨日からの続き=
そして翌日です。
患者さんが車椅子で入院してきました。最初に採血や画像等での検査を行ってから最終的に病棟へ入ってきたのですが、かなり重症の糖尿病。その他にも種々の血管性病変や肝障害、脳梗塞、脳出血などの既往が役満のように揃っています。
それだけではなく病像としても内的なものだけでは済まず、歩行障害も厳しくで自分でポータブル・トイレに移動することどころか立ち上がることさえ出来ません。この時点で早速リハビリのチームに病棟に来てもらって、初日からリハの計画を立ててリハを行い筋力をつけていくように設定したのですが…。
この直後から患者さんの毒舌の霧が周囲を包み始めました。
「こんなxチガイ病院に何で俺が入らんといかん!お前ら一体何様のつもりや。もういいから早くここから出せ。」と言って排尿の度に看護師さんを呼び出しては「小便させろボケ。いい加減にせいよ、お前ら。」と言っては若い看護師さん達に怒鳴りつけています。
私は看護師さんたちを一旦集めて一言「同じレベルで反応するのはあかん。患者さんが何かネガティブなこと言ってもそれを同じ目線で返したらあかんで~。」と説明。中にはずっと毒の霧を浴びせ続けられることにかなりのストレスを感じていた子も居たようですが、笑って乗りきってくれました。
そして翌日もその翌日もずっとオジサンの暴言と毒の霧の拡散は看護師さん達の心を擦り減らし続けました。私は彼女達の忍耐に感謝を示しながらも最終的に甘いジュース以外の摂取をを拒絶し、食事と水分摂取を拒み更には点滴も拒否するこのオジサンに関して息子さんと娘さん達に現況を報告して一度来院していただくことになりました。
調べたところ認知機能に大きな問題はないようですが、care takersに感謝を示せず拒薬拒食を続けるようであれば、病院に入院する理由であるべき「治療行為」(勿論リハも含む)を全拒絶することになりますので、病院に留めるべき理由も消失してしまいます。
何が彼をしてこれほどネガティブな毒を吐き続ける人と成らしめたのか。病棟の責任者としてはこの患者さんが変わる余地があるのか、それとも家族の説得も効果がないのか?明日以降にその答えが出ることになります。
人に感謝を示す事ができない人間は如何に人生において損をするのか如実に観ることが出来るような気がしてしまいます。「残念」の一言に集約して良いものやら…。
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