知り合いの女性に「毎日」昔風の温泉に行かれる方が居ます。
彼女曰く、イメージ的には壁の上に唐松が描いてあって富士山も描かれているような昭和から生き残ってきた感じの銭湯だそうです。実際にはその手の古いタイプの銭湯のマップが頭の中にあって、そこを幾つか廻っているとのことでした。
昔、自分自身が行ったことのある銭湯といえば番台があって、その後自分の服を脱ぐ場所を適当に探し出して、木の仕切りで作られた場所に置いてある籐製の籠の中に各々自分の服を脱いで終わりというもの。何というかそもそも常識として貴金属を持っていかないし、それらを預けるきちんとした場所もほぼない感じ。
子供から大人まで、全員に不文律として存在するお約束ごととしては最低限のマナーとして風呂に入る前にはきちんとケツを洗って湯に浸かることでした。泳ぐチビ助には一部の怖いオッサンからガチっと声が飛んで制止され、その怖いオッサンが居ないところではまた子供が泳ぐというのが日常。そんなもんでした。
番台の横には体重計が置いてあって、更に必ずコーヒー牛乳も置いてありました。何でそうなのかは解りませんが、時々はタケダのプラッシーというのも置いてあった気がします。ただし、これはお米屋さんに必ずあった定番と言うほどの地位は無くて、あくまでもメインはコーヒー牛乳、そして次点が牛乳だった気がします。
しかし、そういう定番の昭和系温泉は激減。今のメインはどう考えても都市型温泉で、これは必要にかられていくという感じの生活臭というものが全くありません。必ずと言っていいほど「温泉に浸かること」、しかも露天風呂付きの温泉を始めとしてジェットバスその他の各種温泉に浸かって、更にはその後の食事も楽しんでしまうというような施設になってしまいました。
今回「らくスパガーデン名古屋」という施設に嫁さんから誘われて行って、平成までの都市型温泉に持っていた私のイメージが粉々に散ってしまいました。
腕につけたリング・タグで全てを処理する施設で、温泉は確かに「それなり」なのですが、基本的にここは食事、飲み物とともに漫画を読んで寝っ転がってそのまま寝てしまうところだと言うこと。超巨大居眠り施設付きマンガ喫茶+温泉といったところでしょうか。
三人で行って風呂に入って食事をしてちょっとだけ横になってゴルゴ13を読みましたが、どうもその一文お人にとってはメインであるはずのマンガ読みの方は気持ちも入らず、2回の入湯で疲れてしまいそのまま家に帰ることに。
出店時には1.5万超えの支払いでしたが「一日居れば元取るかな」と感じました。週末はオールナイトらしいので、そのまま泊まれると考えれば全く高くはないのでしょうね。
時代は変わるもんです。昭和の銭湯が消えては欲しくないけれど、各家庭に風呂がある今の時代、競争は厳しいのかも知れません。
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