この前、ネットでウクライナ人が戦争中にも関わらずコメディアンのネタに大声で笑っているという記事を見てニヤリとしました。
大まかな内容はお母さんが部屋を片付けない子供を叱るというネタで、「ロシア軍が砲撃してきてあなたの部屋が世界に中継された時に綺麗に片付けてなかったらウクライナの恥でしょ!」というようなもの。戦時中でも反骨精神の延長上に笑いを作るところは戦時中のイギリスと同じ。
ロンドンがナチス・ドイツのV1/V2ロケットの爆撃に晒されていた時、爆撃で大きく開いた穴の先にあった理髪店が「改装中」という簡素な看板を出していたり、「吹き飛ばされた窓は気にせず右側から入ってきて!」等という写真を見ると「贅沢はできないはずだ!」とか言って憲兵が国民の私生活を見廻っているような国とでは自ずと国民性の差が出てくるわな~と感じてしまいます。
そんな時にどうしてもシンクロしてくるのは今のゼレンスキー大統領。戦前には「私を支持してくれるのは国民の20%だが、それでも大統領として国民に仕える」というようなことを言っていましたが、結局この国家存亡の危機の中で9割を超える圧倒的な国民の支持を得ているのをみると「どうしても」あの戦時宰相チャーチルに姿が重なってしまうのです。
平常運転の世界では突出して目立った仕事を残さない人が「時と場所」を得て歴史の巨人となっていく瞬間を我々は見ているのかも知れません。もともとコメディアンとは言えウクライナの一流国立大学できちんと法学を学んだ背骨のはっきりとした人間。お笑いやテレビ俳優としての才能を「言葉と行動を通じて国民を鼓舞して突き動かす」という事に全振りし、国家危急の瞬間を救うことが出来たらゼレンスキー氏がウクライナに生まれた真の理由が今こそ生じていると考えます。まあ、既に老後の国葬は決定済みですが!
そしてまさに今この瞬間は戦局が膠着しているとしても、これから流れ込んでくる西側の種々の兵器群が恐らくはグイグイと戦局をウクライナのために変えると「私は」信じています。弾薬を消耗し、壊れた物品を補修する部品も補充出来す、軍内で人的に離反され、大義の無い侵略戦争を続けることがロシア側にとってどれほど大変なことか。ロシア軍で送られる場所も理由も理解できないままモノとして補充され戦場に送られ続ける若い兵士諸君の気持ちを思うと逆に暗澹たる気持ちにならざるを得ません。
世界最大の国土に君臨する愚かな僭主(tyrant)を持った非民主主義国家の命運や如何に。
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