例えロシアが一時的にウクライナ東部を占領しても、下のような事が本当だとしたらもうロシアの勝利にはないでしょう。
要するに高卒の人間をすぐに3ヶ月の兵役訓練期間を経ずに志願兵として採用出来るとなると直ぐに前線へ突っ込むことが出来る様になる訳です。これは、結局のところ太平洋戦争で敗色が濃くなってきた旧日本軍が始めた「学徒動員」そのもの。
ヒトを、モノを、カネを無限に消費し続けるのが戦争の本質。先に白旗を上げざるを得なくなったほうが負けるわけですが、モノは既にどちらもヤバいものの、ウクライナ側はなんのかんの言ったところで恐らくは西側から継続的に武器の供与を受け続けるでしょうし、お金は取り敢えず西側がずっと出し続けるでしょう。ロシア側も少なくとも資源の高騰に伴う利益を(discount priceで売らざるを得ないとは言え)西側の資源制限に乗らない国々に売り続けることで継続的に儲けるでしょうから、ドル決済の裏口ルートも完全に閉じられた訳では無いでしょう。
しかし、戦争を助けるようなありとあらゆる「役に立つ」モノをロシアに売ることが出来ない国々が敵対国側に勢揃いしている上に、産業の米たる半導体も手に入れることが出来なければ現代的な動くものは一切作れないわけで、第二次世界大戦の時のようにモノとしての鉄と火薬と食料があれば戦争に勝てるわけではありません。
しかも、今日のブログの一番最初に登場したように「ヒト」はウクライナもロシアも徹底的に消費しあう訳ですが、何の大義もない侵略戦争で何でリクルートされてまで薄給で犬死にしなければならんのかという話。そもそもロシアでは18歳から27歳の男性が春と秋に2回の徴兵を受けるとのことですが、本来彼らは最前線の戦闘には送られない筈の要員。しかし、この約束は現在では実質的に反古になっているといいます。そういう約束破りの手段を用いてさえも未だ人員補充ができずに学徒動員をやらかそうとするわけですから、先は暗いのです。真っ暗。長引けば長引くほど、国民の"ある年齢幅"全員の強制徴集となっているウクライナとはなかなかマッチしないと思います。
しかも、ウクライナ側兵士とはモチベーションが大きく異なると思うのです。戦争疲れの中、両国ともどれだけ殴り合いを続けられるのかは、結局持っている(供与されたモノを動かし続ける人間の数Xモチベーション)の総量の差が決めることとなるのでしょうね。
80年ほど前に学徒動員をしていたどこかの小さな島国の愚かな軍隊が、未来の有為の人材を消費しながら最後まで抵抗を続けて雲散霧消。文字通り完膚無きまでに叩きのめされてしまった歴史を思い出さざるを得ないのでした。
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