2021年10月6日水曜日

(日系アメリカ人の!)ノーベル物理学賞

ノーべル賞受賞者発表の季節になりました。

秋の夜長にニュースの画面をつらつらと眺めていると、スウェーデン語を喋るおじさんが何か日本人ぽい名前を読み上げました。ネットで確認すると「真鍋淑郎」というプリンストン大学の先生が受賞されたとのこと。

いわゆる「日本脱出組」の方々の一人ですね。私のように何となく国外に行って好きな事やるぞ!と言う感じではなくて、恐らく米国においてはまだまだ反日の感情も強く、敵国人として日本人と戦った実戦経験のあった人達も中堅どころとして沢山日常生活の中にいた頃のアメリカで研究を始めた先生。マスゴミの連中のように間違ってはいけませんが、南部先生等と同じで日本生まれのアメリカ人です!

先生御自身がインタビューで答えられていましたが、日本では「和」を大切にするというような事が多くて、それを先生御自身はネガティブな意味で捉えられていたいたのにニヤリとしてしまいました。正にその通りで、研究内容に関して「空気なんか読まない」と言うのは超一流の先駆的研究者には必須の資質ですが、先を読む研究を自分でほとんどイチから作ってそのリーダーになって、その結果が世界に影響を与えるなんて言うのは研究者にとっては正に冥利に尽きるというものでしょう。

しかも研究費も潤沢で、言いたいことが言える世界であれば日本のように師弟の間で余計な忖度をしなければいけない事もありませんから、実力があれば素晴らしい世界です。

先生御自身は天空を翔ける翼をお持ちになっていた方ですので、どの国であろうと恐らくは大成されていたのでしょうが、やはり研究費の潤沢さやその研究を理解する人間の多さから言えばいまだにアメリカがベストだと考えます。

クラフォード賞、ベンジャミン・フランクリンメダル等の次に、最終仕上げという感じでノーベル賞が来ましたが、世界は既に先生の存在を遥か以前から始祖として崇め、「発明」の恩恵を毎日毎日十二分に利用しているわけで、先生御自身にとって今回の受賞は間違いなく「+1」程度の感覚だと思います。

それでも、こういったモデルを構成し、それをシミュレーションで実世界の解析に充てて世界の未来を予測するという仕事をきっちり仕上げ、世界中の後輩達に膨大な仕事と研究課題を残した功績は正にノーベル賞の輝きを持ちますね。

それにしても、この分野の研究が物理学賞を獲得するというのは個人的には意外でした。逆に言えば、物凄い仕事で世界に影響を与えていても、それがノーベル賞の選択エリアになければそれだけの話です。

代表例が数学のフィールズ賞みたいな世界ですが。まあ、超人・天才には本質的に第三者の評価は関係ないんですよね。研究そのものを楽しむ頭脳とそれをいじり続ける知的体力がありますから。純粋にそのセレンディピティが羨ましい限りです。

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