2021年10月18日月曜日

心より敬愛した人物の死去

私にとって恐らく存命中の人物でもっとも尊敬していたアメリカの良心が亡くなりました。
Colin L. Powell第65代合衆国国務長官です。84歳。(自分の親父と一つ差ですが、彼我の差は・・・。)

ジャマイカ移民の息子としてその長大なキャリアの階段を物凄い勢いで駆け登っていった立志伝中の人物でした。アメリカに生きる黒人であれば夢に描いても描ききれないような素晴らしいキャリアを獲得し、得られる全てのメダルを掻き集め、大統領選も(黒人が大統領候補になったら殺されると恐れた嫁さんに反対されていなかったら)恐らく大量得票していたであろう大人物でした。(オバマが大統領になった時に涙したというエピソードあり。)

常に理性的で温厚、IQは180と言われていました。人生最大の汚点はG.W.Bushの時の湾岸戦争開戦の口実となった大量破壊兵器の根拠になったインシデントを信じてしまったことと言っていたのは何度も報道されていましたが、それを差し引いても私はこの人物は理性と民主主義の生み出した善意と努力の塊だと思っています。

アメリカにいた頃、My American Journeyを買って読んだことがありますが、軍人であっても穏健、しかし最後の一線としての「国を守る気持ち」は鋼鉄のような硬さ。ベトナムで戦った男です。(ぜひ読まれてください!)ネオコンを蛇蝎のように嫌い、アメリカをなんとか正気に戻そうと戦い続けました。ネオコンのど真ん中で!

最後は私のような元NIH研究者には馴染み深いベセスダの海軍病院で亡くならたとのこと。心の底の底より哀悼の意を表したいと思います。

人の指導者であろうとする人間であれば間違いなく人生の指針として役に立つであろうColin Powell's 13 Rules for Leadersを一度読まれてみることをお勧めいたします。

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