2021年2月28日日曜日

自閉症の息子と成年後見人制度

自閉症の息子の未来を「可能な限り」安定的なものにしてあげるというのは親の努めです。

息子には息子の通帳というものが別に作ってあり、息子が通う作業所からのいくばくかの給料の振り込みや作業所で入用なお金の引き出し、年金の受け取り等は全てこの通帳で見える化されています。

息子はそこにあるお金を使って将来に備えるためのお金の貯蓄をする権利があります。無論、我々の方からは息子の貯金から彼のために何かを買うためにお金を引き出すようなことは1円たりとてありませんが、息子の為にベストと思われる長期的な投資をしてあげることは出来ます。

ところが、これを法的に公式にしてあげるためにはそういう判断能力のない息子のために成年後見人制度を使って彼の資産・財産に関する意思決定をしてあげる権利を確立しないといけないのです。

これは普通であれば息子が通常の判断能力がある成年で、かつ彼が金銭の管理は通常は己の力で意思決定を行うという前提があり、親といえどもそれに手を付けることは罷りならぬものであることがそもそもの前提である為。しかし、金銭管理者に留まらず障害の存在のためにその「普通のこと」が出来ぬ息子の為に種々の意思決定を後見人の名の下に正しく行う事を法的に担保する選んでおくということが必要という大前提のもとにこういう制度があるわけです。(これを悪用するクズ野郎や組織が全国には無数にありますが!)

親であろうと成人である息子のお金を触って抜き取ったりするのは本質的に違法ですけれども、彼の将来をより安定したものにするためにはやはり「経済的な安定」は最も近道かつ正解だと思われます。

この成年後見人になるための第一歩は名古屋においては「名古屋市成年後見安心センター」と言うところに行くことから始まります。

ところが実際に動こうとするとこの場所がわれわれにとってはとんでもなく不便。随分遠いんですよね・・・。名古屋みたいな大都市でたった一箇所。しかし、やらなければならない第一歩であることは間違いないので、時間を見つけて役所の空いている日中に息子自身を連れて手続きを行おうと思っています。

私の病院にこの手のことに詳しい人間がおりますので、詳細をもう少し詰めて淡々と進めていきたいと思います。親のお金自身ではなく息子のために何とかセットアップを行い、堅実な投資スキームで「親がこの世から消えていく前に」額はそれほどでなくともお金がお金を生み出すシステムを作ってあげたいものです。

0 件のコメント: