28日の総理大臣辞任意向表明。
本人としては無念の一言だと思います。総理としての歴代最長就任期間を更新したばかりでの辞任なんて誰が想像したことでしょう。基本的に対北朝鮮政策で強い意欲をもって政局に臨んだにもかかわらず記憶に残る進歩は残念ながら無し。小泉純一郎の劇的な一歩に比べれば、笛は吹けども的な状況で、青バッジを常に胸につけているのだけが記憶に残りそうです。
辞任の理由は潰瘍性大腸炎。医師にとっては消化器系疾患の病気の中では国家試験のヤマ中のヤマとなる疾患の一つで、クローン病と対比する形で種々の病態を細かく記憶していくことが必要となる最重要項目の一つです。
トキシック・メガ・コロンや高い癌化のリスク、周期性の症状の悪化と寛解、症状悪化時の出血と貧血、波状に押し寄せる強い便意などは個人の生活をぶち壊すには十分に破壊的な病気で、場合によっては大腸全摘なども行わなければならない難病です。
私が学部学生だった頃は疫学や病理学的側面に関しては詳述されるものの、その原因と治療法に関しては不明もしくは対症的なものばかりでしたが、今はどうかと現在の教科書を調べてみてもやはり推測される原因に関してはその観察と推測に深まりと広がりは出ているものの、根本的なものには未だ到達できていません。
病気というのはなった人間にしか解らないということは何度もこのブログで書いてきましたが、この辞任を決意させるだけの酷い病状であったことは十分に推測できるだけに、本人が同じ病気で二回目の辞任を表明せざるを得ないという「絶対に」したくなかったであろう形での辞意表明はどれほど無念だったかは想像して未だ余ります。記述によれば初発はどうやら中学生の頃からだったようで、何十年も検査、カメラ、治療を行いつつの人生を歩んできたようです。
任期最後に近づくにつれそのバカ婦人の御乱行とともにどうしようもなくなって来ていた「政策の崩壊」は別として、こういう形での突然の終了は気の毒の一言です。今回の辞任の件で宮城の立憲民主党の某石垣とかいう女性議員の発言が大炎上しているようですが、政策は政策、病気は病気。人を呪わば穴二つといいます。
さて、これで次の話は次期総裁。三人の名前が出ているとのことですが、私が実物として見たことがあるのはボストンに外務大臣としてきていた時に日本人科学者の小会合に顔を見せてくれた時の岸田さんだけです。
誰がなるかは近々決まるのでしょうが、現実としては菅さんか岸田さんしか居ないような気がします。
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