脱水と熱中症が危険なレベルで多くの人をノックアウトする時期となったのが実感されます。
とにかく立っているだけで背中に汗が出るという状況。院内でお風呂当番をしている人達が実際のところ院内では最も危なくて、彼等や彼女達がTシャツに着替えてお爺さんやお婆さんをお風呂に順番に入れる介助をしていますが、顔を真赤にさせながら背中も前も汗でタラタラ。側で見ていて気の毒になります。
そういうお年寄り達もお風呂に入る前後にはしっかりお茶や水を摂ってもらわないとあっという間に脱水になる可能性がありますから、一瞬も気を抜けません。エアコンが入っていても、日向側にいる方はやはり尿量が減る傾向にあるのは毎年のことで、部屋の向きやベッドの位置などで脱水に成り得る状況というのは意外と容易に構成されてしまうのでした。
一旦お年寄りが脱水のサイクルに入ると、体に占める水分量が遥かに多い若者とは比べものにならないくらいシリアスな状況に直ぐに陥りますので、尿量測定や体重の測定は大切な観察指標です。
院内であちこちを腰を屈めて掃除して回っているおばちゃん達もかなりリスキーな集団の一つ。我々医療関係者は多くの場合、暑い日でもエアコンの効いたエリアを移動することが多いのでまだ良いのですが、おばちゃん達は階段やトイレ、院外のテラス等の掃除などもして居ますから、エアコンの涼しい風が届かないところで大量に背中や脇に汗を掻きながらグビグビとペットボトルのお茶を飲んでいます。「きっとナトリウムの喪失が起きてるなこのレベルだと・・・」などと考えながら、実はおばちゃん達の様子を通りすがりにチラッと窺いながらリスクの大きそうな人は居ないかを確かめたりもします。
今の所は目立った被害は出ていない感じで何よりなのですが、お年寄りを始めとして全員が気をつけておかないと、我々が小さかった頃の暑さとは数度ほど平均して気温が高く、かつこれに高湿度という条件が加わった日には多くの人が体の怠さとかを訴えるレベルの日々になるんじゃないのかなとついつい心配してしまうのでした。
私の母親は飲酒後の脱水で一時的に広範なエリアの脳梗塞になって命の危険に晒されたことがあります。幸いその時は隣りにいた親父がすぐに気づいた上に近所の病院にカテ治療の達人が居られたという幸運が重なって、目立つ後遺症は残りませんでしたが、一つでも歯車が噛み合わなければ・・・という一大事でした。
皆様も油断されず、水分摂取を欠かさぬようにお気をつけください。
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