2020年8月18日火曜日

訪問診療の世界

勤める病院の外で週に一回とか二週間に一回とかいう感じでいわゆる「アルバイト」をする医師はごく普通におります。名目上は研究日などという名前がついていますが!その空白の一日を使うのが基本です。

かくいう私もその1人、以前からここにもチョコチョコっと体験記を書いていましたが、私的には基本的に週一回で十分以上かなという感じです。逆に言えばそれ以上はこのバイトというものはとても出来ません。

私が行っているバイトである「訪問診療」というのは、もし患者さんや患者さんを取り巻く家族さんと深い交わりを持って付き合おうとしたら、それはそれでなかなか大変で時間や手数がたくさんかかります。ですから、それを週2回とかすると結構、体よりも心が疲れそうな感じ。おまけに本業の大きな病院の方もメチャ忙しいのでこれが限界です。

幸いにして一日の中で私に割り当てられる一日の訪問家庭数は10件プラス・マイナス2件前後というところで、それほど大量でもありません。基本的に2週間に1回は1軒の家庭を訪問するのが標準的な保険が使える訪問診療というものですから、この数だと都合20数件の御家族もしくは患者さんとお互いに深く知り合った上で一ヶ月の間グルグルと回るわけです。

要するに月に2回だけ患者さん達と邂逅することになるわけですので、このたった2回の出会いで診察を行いつつ血液データを集めたりしながら、次にどの様な治療を行うのか、緊急で対応をして次のステップを踏むべきなのか、他の専門医や総合病院へ紹介すべきなのかなどを判断しつつ一旦、出撃基地たる元の病院に戻って更なる考察を入れて紹介状の準備を行ったり、入院の判断を行ったりするわけです。

しかし、どちらかと言うと、、、と言うよりほぼ全ての患者さんが少なくとも75歳より上の方と考えたほうが良いような感じで、訪問診療というのは概ね人生の終末期の医療を担っているというのが基本ですので、余り攻撃的な治療を行わないことが多いのです。ですから、もし勉強のために究極の高度な技術のアプリケーションを患者さんに応用したいと考えるのであれば、訪問診療を自分の医療の中心に据え置きたいという医師の生き方とは結構相反する生き方となります。

大きな病院の内科や専門科でデータを即時にゲットしながら目の前の患者さんの変化を即時に診ながらバリバリ頑張りたければやはり訪問診療はかなりベクトルが違う世界です。

ただし、訪問診療というのは素晴らしい院長や理事長がマネージメントをするもとで働ければ比較的手堅い収入が得られます。何れにしても、私の場合は娘達が大学や大学院を出てくれた時点でこのバイトからは抜け出したいと思っております。何と言っても私もその頃には還暦ですからね。

私がそれまで生きていればですが。w


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