2020年8月7日金曜日

トヨタの中央研究所の話

我が家の近くにはトヨタの自動車博物館があります。 

以前にもこのブログにもちょろっと書きましたが、すごい車がウジャウジャと集まっている立派な博物館です。そしてこの博物館からそれほど遠くない所にその「世界のトヨタ」の屋台骨を支える基礎技術をコツコツと育み作り上げる中央研究所があります。

イオンモール長久手の南側にあるというほうがここいらの住人には判りやすいのでしょうが、表からはあまりわからない感じになっていて、その入り口の門の後ろ側に隠れたように建つ幾つかのビルの中ではいわゆる最先端の種々の工学に関する研究が行われ確かな成果を産み続けているわけです。

実は、ここで以前働いていた人物と知り合う機会があったのですが、それこそ基礎研究室の人材達は日本中の有名大学の人間が集まっているという感じで、基礎研究室ではその人達は実際には手を動かして実験することはほぼなくて、データを集めるのは高校や高専を出た人間にやらせているのだそうです。私個人の感覚としては実験というのは自分である程度は手を動かさないと感覚が鈍るし良いものが産まれてこないという信念を持っているので、全てをそうやって実験してしまうのには大いに疑問を持っているのですが、全部が全部ではないのかもしれません。

また、トヨタくらいの巨大な組織になるとガチガチの官僚的な組織になってしまっているらしく、着ていく服も派手で個性的なものを着て行けないし、週末に県外に出る時にはいちいち書類を書いて提出しなければならないという「マジすか?」というようなものなんだそうです。その堅苦しさが嫌でこの研究所を辞めてしまったそうで・・・。

最先端技術を扱う部署なのだからなのかもしれませんが、それってどこかの共産主義国家の秘密警察的なニオイがしなくもないんですが、サムスンなんかもデータの持ち出しや行動規範に関しては鬼のように厳しいという話を読んだことがありますので、一流企業の競争的な組織というのはそんなもんなんでしょうかね。

ただ、よく話を聞いてみると「おもしろそうだから」という理由で研究をやらせてもらえるような事はやっぱりなくて、「近未来的に想像ができる範囲」で有望そうな技術、応用が効きそうな技術しかやらせてもらえないという話。

アメリカにある基礎科学の高等研究所のように、世界の各分野のトップ中のトップの頭脳が集まって、何に将来役立つかはわからんけれど、知の地平線を外側に拡大し続けるような研究をしていくというわけにはいかないようです。

まあ、資本主義社会の優等生であるトヨタの研究所ですから、やっぱり金に繋がらないことはなかなかしないのかな。まあ、日本と愛知に多額の税金を落とし続けてくれている会社に文句はつけられません。w


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