2020年8月17日月曜日

熱中症で搬送されてくる

名古屋は今、熱中症で体調を崩す人達で一杯。

私の病院の外来にも工事現場で作業をしていた若いお兄さんが突然具合が悪くなって何度も吐いた挙げ句、現場に居た同僚に連れられて病院にやってきました。脈は促迫しており、体温は上がっているのに汗は全く掻いていない状況。

後で判ったことですが、脱水はそれほど強烈な数値ではなかったのは幸いでしたが、これが若者でなければ多分意識自体が飛んでいるレベルの状態になっていた可能性があります。屈強な若者でしたが、頭痛が酷いとのことでした。おまけに1人で立ち上がることが出来ませんでした。

直ちに輸液を開始、血液も採取してデータを採取するとともにクーリングを行って経過観察をしました。二本の輸液が終わり3時間ほどで大分調子が戻るとともに、頭痛も収まってきて1人で立って歩ける程度にまでは戻ってきました。本当のところ入院させて一晩は経過観察をするというのがベスト・・・今回は御本人の希望も有り帰宅を許可しましたが、電解質を多めに摂ってもらうことを約束してもらうとともに、明日の現場仕事は一日お休みをいただくように上司の人に渡しから直接お願いさせてもらいました。

昨日の名古屋のようにカンカン照りの日中、かつ酷く高い湿度の中で激しい肉体労働をしながら水気を十分に摂らないことのリスクは言葉で解っているだけでは全く駄目で、実際に大量の電解質を含む飲料を脇に置いて仕事をするのが「必須」です。しかも、お兄さん今流行の扇風機付きのウェアを着てもいませんでした。鬱熱状態で仕事を続けて吐くまで仕事するとか水の切れたラジエータのようなもので、あっという間にエンジンはオーバーヒート。

お年寄りはいくら言ってもなかなか水分を摂取しませんし、実際よく熱中症で私の病院に施設から運ばれてきます。しかし、いくら若いからといって無理は絶対に禁物。熱中症はどんな年齢の人であろうと一旦発症すると人の命を奪う危険な状態なのだということを皆がもっと知って貰いたいなと思う名古屋のオジサンでした。


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