2019年9月14日土曜日

恐ろしい医療費の無駄

世の中如何に処方が無駄になっているか・・・。 

入院患者さんで、恐ろしいほどの量の薬を入院時に家から持参してくる人達が頻繁に見つかります。それが数十回に一回ならまだしもなのですが、それよりかは遥かに高い頻度でそういった”大量”の薬を持ち込んできます。

前医からの転入院の場合、私が思う常識的な引き継ぎ処方は一週間分の処方というもの。最大でも精々2週間分でしょうか。しかしこういった大量持ち込みの患者さんの中には90日処方とか、一体どうやってそんな異様な長期処方をするのだろうかと思えるようなピッカピカの処方を持って転入院してくるため、特に何も当方では新規症状が出てこない限りは出さなくて良い状態の方も。

また、歴代の入院病院から処方され”かつ”服薬してこなかった大量の薬をボストンバッグや大きな買い物袋に入れて入院してきて、一体どの薬がいつ何のために処方されたのか全くわからない”カオス”状態の人も少なくないのです。

本当に売るほどある薬を持って来られても私としては看護師さんに出せる指示はシンプルに一つ。「とりあえず棄薬まではしなくてもいいけど、期日のわからない薬は院内では使わないでください。」というものです。

医師から処方されていても、こうやって使われずに溜められ消えていく未使用薬の量も全国の全患者さんでトータルを出すとそれはそれは容易に数兆円になると思います。数兆円有れば何が出来るかと想うと溜息が出ますがこれも人間の性なんでしょうね。

薬好きの日本人。何か大きな制度改変がない限り、こういったインシデントは変わらないでしょうね。薬をたくさん出してくれる先生がいい先生という変な宗教が無くなるまでにはもう少しかかりそうです。

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