2019年9月18日水曜日

患者さんとその付添い

患者さんの付添いは多くの病院で規則が異なります。

私の病棟ではどちらかと言うと緩い方で、患者さんの末期状態が明らかになり、バイタル的に「もしかしたら」という状態が近づいて来ると、個室管理に変更した後、家族の代表の方一人であれば泊まり込んでも良いように許可をしています。

病院によっては時間限定で、よっぽどの終末期でもない限りは一切そのようなことを許さない病院も少なからずあります。

もちろん、これは病室の作りやその様なファシリティの有る無しにもよりますよね。私の病棟ではとりあえずソファ状の椅子を持ち込んで入眠可という状態にしています。
この睡眠用のソファを購入しておくと、我々自身がナース・ステーションでモニタリング可能である状況+家族さんの目によるチェックが入ってきます。

ところが、この家族による患者さんのモニタリングというのが曲者。
脇につきっきりですから、常識的な範囲でいろいろ報告してもらえる方なら良いのです。しかし、過剰にセンシティブな人ももちろん中には居て、ピクッと動いた、痰が一回喉で鳴った等の細かいイベントを全て報告してくる場合などもあるのです。

こうなると、ナースだけではなくその患者さんの付添をしている人自体もあっという間に疲れ果て、血圧が上昇したり逆に見守っているはずの自分の配偶者などに毒づいたり。
中には疲れた挙げ句に訳も分からず看護師さんとぶつかってしまう人もいるのです。

まあ、気持ちはわからないのではないんですが、こうなってくると誰が得してるのか全くわからない状態。何事にも常識的な線引きというものが欲しいところですが、この常識というのが千差万別で難しいですね。常識。時代と場所と状況で七色に変わるこのおばけは本当に姿が捉えづらいですね。

お互い大人でありたいものでが、実際のところ殆どの方々はこちらが恐縮するくらい辞儀正しい方々で、終末期医療に関してはこちらが教えられることのほうが多いというのが私の日常です。

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