2018年12月3日月曜日

おかしな親から育てられても

患者さんのご家族が一緒に来られるとき、その付き添いで来られるのは多くの場合子供さん達です。

病を得て入院するその初日に付き添ってきてくれるのは、何も心からその身を案じて来てくれているわけではない場合も"実は”多いのです。
血の繋がった親子という身内だから来ていると正直におっしゃる家族も意外と沢山います。最初の頃こそ驚いていましたが、今では何の感情が湧き上がることもなく、ハイハイと聞くだけ。

というのも、親子関係というのは実に複雑であることが今更のように実感できるような話が次から次へと出てきて、逆に私自身が「それでも、入院時に付き添ってきてくれるんだ!?」と本当に驚くような仕打ち・虐待を受けてきた家族も多いのです。

「俺なら全力で家族としての関係を切るな〜」と言うほどの家庭内暴力や行為の数々は、言ってはなんですが鬼畜・狂人の所業みたいな話も実際にはあって、この人達よく生き残ったな・・・と言うことも多々。(具体例を今書くと迷惑がかかる場合もあるでしょうから実際には書かずに濁さざるを得ませんが・・・。)

人生の晩年になって一人で歩くこともできなくなったり、ボケてしまってどうしようもなくなった親を、いやいやとは言えまだ手助けしてあげる子供さん達に私は感心する以外にありません。

バカ親、クズ親、狂った親、自分が大きくなって外の世界と比較をすることによってこそ初めて知ることが出来た我が家の中に居る“おかしな人”の存在を理解し、かつ自分はおかしな人に育つこと無く成人することが出来る場合には、通常何れかの片親は少なくともまともな人であるようです。(実際に病院でそういった方々たちと話して得た印象でしかありませんが。)

そんな環境でもまともに育つ人は育ち、そうでない人間は・・・。
世の現実の複雑さを毎日のように見せつけられる病院での日常です。

0 件のコメント: