2018年12月25日火曜日

時計の針は押し戻せない

最近は本当に普通に90歳台の爺ちゃん婆ちゃんを診療することが多くなりました。

70歳位?とカルテ記載の誕生日を疑ってしまうほどに驚くほど元気な婆ちゃんや、口も体も達者で実際のところなんで入院検査を家族が希望されてるのかこちらのほうが戸惑うほど元気な方々もおられます。

実際のところ見かけというのは大変大切で、“若々しい”というのは間違いなく体の若さを間接的ではなく「直接的に」表現しているものだと強く感じています。

ところが、どんなに若く見えても一旦肺炎などを起こしてしまうと・・・ある一定以上の年齢というのは残酷なほど獰猛にその本人に牙を剥いて来るのです。特に感覚的には実年齢が85歳位からでしょうか?何か起きた後の回復力が劇的に違ってくる感じを持っています。私自身がデータをもっていないので、明確な科学的な根拠はないんですが、元気に見える人でもこの辺りの歳で免疫力がガクンと落ちてくるんじゃないかなと。

やはり、同じ疾患に対して同様の治療を施しても60台前後の年齢の人々とは“戻る力”が全く違います。細心の注意を払っていてもどうしても戻ってくれない超高齢者の方々が居るのは日常の間違いない事実。
時計の針は押し戻せない、という言葉は残念ですが我々日常臨床に携わる医師たちの眼の前に常に厳然と横たわる現実です。

今年一年の臨床の日々でお見送りさせて頂いた印象に残る高齢者の方々の顔をひとりひとり思い出しながらこうしてブログを書く平成最期の年の瀬となりました。

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