そしてその状況は精神や身体に障害を持った人も、身寄りの有る人も無い人も実に様々。状況は種々重なりますので、患者さんを取り巻く金銭の保有状況は通帳管理の有無も含めて大変複雑な状況です。
例えば家族、親族さんがその人の金銭管理をしてくれていても「正当な」管理をしてくれていないような例も幾らでもあるのです。そういう意味では少なくとも我々の病院に入院した時点でのすべての金銭の状況を紹介してくれた役所や前の病院などの協力を得て可能な限り細かく状況を把握することは大変重要な事なのです。
ところが、この状況には常に危険が潜んでいます。つまり、お金が無い患者さんの時にはその患者さんから万が一にも収奪されるお金は少なめなのですが、中には自分がいくら持っているか知らないし、例えその通帳や現金などを見せてもその事実を理解する能力も残っていないのだけど、数千万持っているような人もいるのです。
このような人々の「資産」をキチンと管理できない病院や役所が時々やらかしをするのです。
この前も名古屋で生保の担当に当たる役所の人間が、担当している人が亡くなったり、病院から移動するときに預かるお金などを勝手に自分の懐に入れていた例が摘発されてニュースになっていたのですが、恐らくそれは全くもって一部の報道のみだと思っています。
要するに、闇から闇の処分の世界も必ずある筈で、見つかった部署で上司が部下に「これをどう説明する?」という時点で警察沙汰になる前に自分から払い戻した上で自己都合による退職を選ばせてもらっている人間もいるだろうし、ニュースになる人間もいるというのが私の見解。やはり人の金銭というのは必ず組織内で二人以上の人間が相互監視する形で管理するすることが必須だと考えます。
こういった横領事件は大事(おおごと)になることで組織の信用を大きく失墜させる前に組織が秘密裏にその案件を処理というのも全国で毎年数百件では済まない事でしょう。弁護士でさえ時にやらかしますしね。
権利や理解力の無い人をきちんと守りきりその人の生活の安定を守ってあげる。自閉症の子を持つ私にとっても全く他人事ではありません。
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