文化や言葉の壁は高いものです。
私の勤める病院でもはじめは看護補助の人達から、そして今では外国からやってきて日本の看護師国家試験を見事にパスして看護師として仕事をしている人達がズンズン増えています。
これは大変主観的な見方なのですが、ヘルパーとして来日しているフィリピンやブラジルの人達は基本的に試験を受けようとしないし、ほぼ勉強しようともしません。しかし中国から来ている若い人達は全く違います。男性も女性も物凄くよく勉強してアッという間に国家試験を通過していく人達がたくさんいて驚きます。賢い子も間違いなく多い。
昨年も数人、今年も数人と言う感じで後ろにもまだまだ控えとして来年受験する若い子達がいます。ノートを見せてもらう機会がありましたが、日本語と中国語で大量に書き込みを行って勉強をし、模擬試験を淡々と受けているのを見ると「通らない訳がない」と思ってしまうレベルの勉強量です。
以前から外国人とはいってもそもそも日本で生まれて国籍だけは在日韓国人とか言う看護師さん達はいくらでもいましたが、最近は恐ろしいスピードで中国人の人達が国試に受かっているのを見るとそのうち10%くらいは普通に中国の子達が病院内の正看になるのではないかと想像してしまうのです。もしこのままのペースが続けば若手を中心にそういった日が来るのは恐らく「確実」かと思われます。
数は力です。そのうち次から次へと友だちを呼んで一大勢力になるのかも?日本国内で結婚したりするような子供達も出てくることでしょう。
さて、では現場ではどうかというのが次の問題なのですが、やはり言葉の壁は厚い!我々日本人がアメリカで何の問題もなく日常生活を送るというのとは違うレベルの問題が「医療現場」では発生します。
一つは純粋に患者さん達の方言や老人の発語が聞き取れない、理解できないというもの。もう一つは日本語が苦手で「テストの成績は良いのだけれど」臨床の現場では専門職同士の会話が通じないレベルの人が少なからずいるということ。後者の問題は、勉強する意欲が強い人であれば一年もしないうちになんとかかんとか形はついてくるのですが、前者の老いた患者さんやおかしな事を言う患者さん達の言う事まで理解しようとすると実務上かなりのネイティブとしての日本語力が必要なのです。
この壁を超えるのは少なくとも数年はかかる事が普通ですから、その間は周りの日本人スタッフがサポートをしてあげる事になるのですが、これが想像以上に大変。これが毎年毎年続くのですから、スタッフの中には文句を言い始める人も当然います。しかしそれもおそらくは時間が解決してくれることでしょう。
しかし、これからの日本の少子高齢化社会のことを考えると少なくとも外国人労働力の医療現場への流入はこれから数十年は続くものと思われます。(他のエリアではとっくに外国人が一大勢力ですが!)良いか悪いかではなくて必然。努力を惜しまない賢い人間なら資格試験には通ります。文句を言っても始まりません。
もしかしたら将来、私のお尻を拭いてくれるのも彼等、彼女等になるのかもしれないですよね。
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