第二次世界大戦後に始まった「理論上」の、そして長い間「夢」として語られてはきたものの21世紀に入ってもまだまだ50年は実現化しないでしょう!と言われた技術に関してここ数年間で世界各国で次々に大きなブレークスルーが続いているように思います。
それは言うまでもなく核融合発電の世界。磁場閉じ込めのトカマク、ヘリカル、そして慣性閉じ込めのレーザー等3つの主要な方式がそれぞれ大金をつぎ込みながら覇を競い合っているようです。
我々外野のド素人たる烏合の衆には易しくかみ砕かれたわかりやすい解説のみが継続的に漏れてきます。残念ながらそういう楽観的な予想でさえまだまだ解決しなければならない大問題だけでも大量にあるとは言ってますが、それでも各種方式の各分野でそれぞれに進歩がニュースとして流れて来るのが毎度ワクワクさせられます。最近は民間からも大量の資金が流れ込んできていてそれに加速がついているような感じ。
文科省の説明によると核融合発電の為の乗り越えていくべき3つの段階があるようでして、以下のように説明されています。
核融合エネルギーの実現に向けては、研究開発の段階を大きく三段階に分けて、それぞれの目標に向けた研究開発を実施しています。第二段階は科学的・技術的実現性の確立を目指す段階です。具体的には、核融合プラズマが加熱を止めても核融合エネルギーにより持続する状態(「自己点火条件」という。)の達成と核融合プラズマの長時間維持に道筋を付けることをはじめ、核融合実験炉の建設を通した炉工学技術の発展、エネルギー源である核融合中性子に耐えうる材料の開発、核融合エネルギーから熱を取り出す技術等、多くの達成すべき課題があります。現在取り組んでいる段階がこの段階です。
アメリカのニュースでは遂にこの第一段階がレーザー核融合方式で達成されたようで、以前から第1段階で臨界プラズマ条件は達成していたトカマク方式に並んで遂に2つ目の方式で次の段階に突入したようです。
投入したエネルギーよりも大きなエネルギーを産むということで、ニュースでは「ローレンス・リバモア国立研究所は5日未明、凍った水素を入れた小型の筒に192台の巨大レーザーを照射し、筒の内側で起こる核融合爆発によって水素をヘリウムにする実験に成功しました。 投入した元のエネルギー量の1.54倍となる、3.15メガジュールのエネルギーを生成しました。」とのこと。
投入したエネルギーより出てきたエネルギーが大きいという単純な事実が世界を駆け巡ったのは当然です。あとはこれを安定的に、しかも大きなサイズで出し続けることが大事な訳ですがまだまだこれから競争が続くことで、金と人材(知性)が集まり続ければ世界が我も我もと次の成果を出してくることでしょう。その2つが集まってくるところには必ず何らかのブレーク・スルーが発生しますので、恐らくこれからの10年はびっくりするようなことが起きるんじゃないかと期待してます。
私が死んだ直後くらいには商用炉として永続的に輝く地上の太陽が発生し、子孫達がエネルギー問題や二酸化炭素の問題をもとにした地球温暖化の世界から遠ざかる日が来ることを心の底から願うのでした。
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