勿論、殆どの場合においてその相手となる人は知り合いでもなんでも無くて、場面の記憶を手繰ってみるとさっきまで別のエリアで自分達に商品の説明をしてくれていたお姉さんだったというのが殆ど。
そしてその人達を見かけるのは多くの場合地下一階にある夕暮れ時の生鮮食品売り場です。要するに帰りがけに食材を買い揃えてこれからつくるであろう夕食・夜食の素材を買っている訳です。しかし、そこで見る彼女達はさっき迄の笑顔満面の女性達ではない訳で、真剣な顔をして何を買い込もうかなどと食材の値段を真剣に眺めているという微笑ましい様子を見せます。
私は大小の店舗に関係なく「売り子さん」というバイトをしたことが有りません。学生の頃にしていたのは基本的に塾の講師、家庭教師、家具の配送くらいです。ですから次から次にランダムに現われる多種多様なお客さん達を相手にしたことはないので、彼・彼女らがいろいろな話し方や態度で私に向けて接客してくる瞬間というのは何時も興味深いものです。
そもそもお客さんを相手にしている時というのは、アマチュアでもない限り恐らく「お店を代表している仕事びと」として振る舞われているわけで、個人として強く目立つキャラクターは封印しつつも個人の能力を滲ませての仕事をするのだろうなと推測しています。ですから、物を選ぶときに長く立ち話をしているとその人の「本当の姿」が話し方の端々に滲み出してきます。
こういう場面で高い能力を発揮できる人というのは、きっと看護職を始め他の仕事をさせても水を得た魚のように活躍できるのではないかと推測してしまうのです。
たとえ「営業用の顔」であっても、それはそれでその人の仕事用の「表の顔」だと思いますが、それでも有能であることに変わりありません。人当たりというのは正直言ってかなりの部分は後付の教育の難しい「才能」だと私は考えます。喋り方、相槌等の身振り、表情も含めこの人は天性のものが有るなと思わせるような人が少数ではあるものの存在することは間違いないことで、トップセールスというのはこういう人が適所に配属されて、適切なものを売ることになった時に達成されるんでしょうね。
それが家だったり、車だったり、服だったり宝飾品だったりカバンだったり、食べ物だったりするのでしょうが。
店の売り場一つを巡るにしても、いろいろと楽しむ為の要素満載だと思った最近の買い物でした。
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