2022年9月6日火曜日

全くもって他人事ではない

静岡の「認定こども園」で悲惨な事故が発生しました。

園バスの中に取り残された3歳の女の子が熱射病(熱中症の中で最重症のもの)で亡くなりました。ニュースソースよると、亡くなった女の子のお父さんが園内の話し合いの中で「子供の姿と違うので、そこだけはびっくりしないで下さいといわれて、中に入りました。抱っこしてもいいといわれたので抱っこすると、普段の2倍くらい重くて、何でこんなと…」等という発言があったとのこと。

亡くなられた3歳の娘さんのお父さんの気持ちを思うとこちらの気持ちまで張り裂けそうです。3歳の女の子なんて本当に人生の中で最も可愛い盛りの一つ。そんな時期にまさに理不尽な理由で突然に我が娘を奪われた御両親の気持ち、そのお爺ちゃんお婆ちゃんの気持ちは誰にも理解できないものだと思います。

73歳の園長というのも大概の爺さんのようですが、小さい子供達を預かる管理者の責任感というものは何処にも見当たりません。

病院や保育関係など、弱い立場の人々を預かる施設で大切なことは基本原則を絶対にスキップしないというものがあります。なぜ?というようなバカげているように思える安全手順書の真の意味はその手順の裏に今まで発生した「想定・予測を超えた事故」を可能な限り起こさないための愚直な予防策が練り込まれているのです。

例えば病院においては手術を行うときの手術する臓器の左右の確認における二重三重の確認。インシュリン注射を行うときに他人の目を借りての二重確認。劇薬を使用するときの数人のナースによる手順と量の確認等々は本当に日常です。それでも、数年に一度は悲惨な事故が「表沙汰」になります。それを検証するとその殆どは勘違いや慣れという名の必要手順の無視や軽視が発生しています。

今回のこども園での事故は間違いなくこの一例。乗った子供をカウントし、降りた子供をカウントし、最後にその上で必ずバス内のシート全体をシートの下まで含めて再度チェックするという原理原則を無視した結果以外の何物でもありません。

法的には未必の故意とかいう致死事件になるのでしょうが、これは親にしてみれば紛うことなき殺人でしょう。言い逃れは無理です。運行管理責任や園全体の統括責任を考えると、園長は何の言い逃れもできないトップであって、今後も御両親や亡くなった女の子に刑事・民事ともに懺悔する以外に無いと考えます。

私も他人事ではありません。まさに「以て他山の石と為す」であって、気を引き締めなければなりません。


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