医師にとってのウェブ・セミナー花盛りです。
以前は例えば「7月13日に朝9:00より定員150名で愛知県医師会館X階で〇〇のセミナーを行います。つきましては6月4日までにお申し込みください。尚、お申し込み多数の場合は受付順に締め切らせて頂きます。」等という告知が普通でした。
ところが、このコロナ禍で医師会や大学も講義のやり方を変えてきました。単位取得に物理的な出席が必要であった数々の勉強会やセミナーがネットでの参加に大きくシフト。たしかに会場自体を設営される所も有りはするのですが、そういう場合でも同時にZoomやYouTubeでのキャスティングを多なっている場合がほとんどになってきました。
実際、講演をする方もaudienceは沢山いた方が良い訳で「準備のしがい」もあろうというもの。カメラに映っている演者の居る会場には15名ほどしか居ないのに、接続者総数は200とか300とか普通ですし、複数の演者そのものが全て本会場外からウェブ接続でキャスティングしていて、お世話係以外は誰も本会場には居ないなんて言うのもこれまた今では結構普通です。
また、医師の所属する斡旋業者などが開催するセミナーに至っては接続者数1万人以上というのもザラにあります。もし物理的なアクセスが必要な今までのミーティングであれば、1万を超えるようなaudienceが参加するような医学ミーティングなんてちょっと考えられない規模で、殆どどこかの野球スタジアムを借り切るようなことでしか出来ない夢のような話です。
地方の小さな勉強会でも参加することで日本医師会の講習ポイントを貰えたりしますが、こういう形式のものは基本的にキーワードと医師免許証の番号を運営事務局に返送して初めて講習参加のポイントを貰えたりしますので、少しだけ不便なのですがそれでも物理的に動かずとも、家で御飯を食べたりしながら勉強できるというのは素晴らしいことで、コロナ前ならそう簡単にはセッティングされなかったことでしょう。
そういう意味では、人間というのは戦争や災害の度に何らかの代替手段を発明して逆に進歩を遂げたりしますので、今回のコロナ禍はそういう方面の進歩のためには「奇貨」となったのでしょう。恐らくコロナ禍がなければ、同じレベルに達するまでに余計に10年かかっていた可能性が高いと正直に思います。特に日本のようにテクノロジーの日常生活への導入に及び腰の国では!
移動に伴う移動費や、場合によっては宿泊代まで必要な研究会や講習会の費用が浮き浮きになるのは資源とお金のセーブという意味では素晴らしいと思います。
ただ…人と人というのは物理的に出会うことによってのみ発生する進歩、変化というものもありますのでそれが削がれるのは危険と言えないこともないな等とぼんやり考えたりもするのでした。
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