医療現場においては、この言葉が患者側からの暴言・暴力を意味することを医師会の雑誌を読んで知りました。
「ああ、なるほど。病院にとってはcustomerだわな」と納得はしたのですが、北新地のクリニックで起きた衝撃的な放火殺人・自殺事件に限らず、患者を一部の大学病院が「様」付けで呼び出してから、勘違いする馬鹿が結構増えてきたと思っています。
以前からここでも何度か書いていますが、患者を治療する側と患者の間というのは対等な関係であって、患者が病院、クリニックで行われる施療が気に入らなければ好きなだけ納得の行くところに移動してドクター・ショッピングをすれば良いし、そもそも医療機関側もそれを止めることもありません。
だからといって、「明らかに理不尽なクレーム」をつけたりする事が許されるわけでも全くありません。当院では幸いにして病室で喫煙したり、外でコッソリ酒を飲んできたりした人間を即蹴り出して終わり!という位で済んでおりまして、殆どの患者さん達も私がコンコンと説得しても特に怒ることもなく話の一つ一つに「そうなんだよね~」と言って納得してくれますし、それが納得いかないようであれば私の外来に来なければ良いだけ・・・というシンプルなもので、誰かと口論になる事も今までのところは無いという状況です。
当院のような精神科と内科がメジャーな科として併存しているところは認知能力を含めて精神的にも問題を抱えている方が平均よりは多いとは思うのですが、それでも問題はほぼ起こっていません。
しかし、多くの医療機関ではとてもそんな事は言っていられない様な時代になっています。ところが医師会では問題がエスカレートしたとしても、警察側の「民事不介入」という姿勢に各都道府県によってかなりの濃淡があって、本当の事件が発生するまで動かない警察のエリアも多いようです。
今後、病院の中で一体どんな事が起こり得るのか判りませんが、良くない事が起きることだけは避けたいところです。とは言え医療従事者側も、問題があろうともそれを事なかれ主義で丸く収めようとすることを繰り返していてはモンスターに肥料を与えるようなものですからそれは避けるというのが個人的な信条。
バランスのとり方が難しいところですが、そもそもの出発点からして治療方針に納得できない方を最初の段階で見極めて「他院にどうぞ」というのが良いのかも知れんな~と思う今日このごろです。
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