2022年5月25日水曜日

お嬢ちゃん騙されてない?

医者というのは中途半端にお金を持っていると「勘違い」されている職種です。

騙そうと言う側にとって病院を歩くカモと言えば基本的に医師と看護師です。医師の方は私が知っている一昔前はそれはそれは酷いもので、当直中の医師に対して不動産投資などを持ちかける業者からの電話が病院の電話に本当にガンガン入ってくるような頃もありました。

まあ、基本的によっぽどの馬鹿でもない限りはこの手の電話は即切りか、いじるだけいじって、弄んだ挙げ句、相手を激怒させてブチッと切らせる程の暇な時間を過ごした時もありましたし、こちらの方から相手の理屈を一つ一つネチネチと計算と具体例を上げながら論破していくと、向こうの方も「買う気もないのに騙そうとした相手に逆に遊ばれている」ということにかなりの時間が経過した後にやっと気づいて、滅茶苦茶に話を端折って気もそぞろ状態で電話を切ってくることもあります。w

まあ、何れにしてもこんな業者から掛かってきたしょうもない電話を医師に繋ぐ事務員や当直の人間が一番愚かなわけですが、繋ぐのは大体において「仕事のできない残念な職員」が多いのは当院医師なら誰もが知っている事実です。

そもそもが「今日の当直の先生どなたでしょう」とか言って聞いてくる本物の単刀直入な馬鹿業者もいれば、例えば「田中先生、御当直中でしょうか?」等と適当に振ってきて、冴えない職員が「いえ、本日は鈴木先生ですけれども」等と答えると「あ、そうでした。鈴木先生でした」という風に切り返してきたあとに「お繋ぎいただけますか?」と言って来るのが多いのだそうです。もちろん普通の職員であれば、「どちら様でしょうか?どういったご要件でしょうか?」というようなふうに聞き返していってそこで殆どの「業者」は門前払いになるわけですが、業者が手練れかつ事務員がアホと言う組み合わせの時には稀に繋がってしまうのです。

そういう時は応対した事務員が事務長から後から強く叱責されているようですが…。それでも、殆どの普通の職員はこの手の電話は軽く蹴り飛ばしてくれますので、我々が割りを食うことは普通まず有り得ませんが。

しかし、病院にはもう一つの騙されやすい集団があります。それは看護師さん達。比較的若い頃からコツコツと貯金をされたりしていて、マンションを買えるくらいのお金を持っている人は意外と多いのです。そういった内情を知っている悪徳業者がこの人達をカモとして騙しにかかることがあるのです。

先日もファイナンシャル・プランナーの資格を持っている「別の看護師」の話に熱くなった若い看護師さんが投資関連の「無料」セミナーとか言うものに週末に行くとか言っていました。そもそも論で彼女に私は言いました。「ファイナンシャル・プランナーっていう人種がそもそも投資や経済の先を見る目があったらみんな大金持ちやろ?でも、殆んどのファイナンシャル・プランナーはそうじゃなくって、精々がところ小金持ちじゃろ?セミナーで変な買い物を勧められるようなものだったら先ず買い物とかするなよ~」と釘を差しはしたのですが、果たして信じてくれたのか…。

「タダより高いものはなし」とは言いますが、大損をこくことで学ぶことにならないように祈るばかりです。


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