2022年5月11日水曜日

EVが高くて買えなくなる日が来るのか?

最近は何だか猫も杓子もEV,EVとなっておりますが私はそんなにシンプルな話ではないと考えています。

そもそも今回のEVシフトはヨーロッパのマニュファクチャラーの、特にVW、Audiグループのやらかしたdefeat deviceによる排ガス数値偽装事件が発端で、そのダメージを必死で回復するためにドイツのメルケル首相の旗振りの下で経済界がドイツ経済界が一丸となって宣伝しまくった挙げ句のお祭り行事。

余りの勢いにこの「politically correct」なアクションに付き従わざるを得なかったのが残りのメーカー達。今の時代SDGsを唱えなければ市場にさえ入れさせて貰えない時代ですから、これからやってくる時代のチャートも描かないままに耳に優しい宣伝文句だけが世界を駆け回っています。

そもそも、バッテリーにチャージする多めの電気の発生源が何かによってガソリン車との比較で滅茶苦茶にそのCO2排出量は変わるハズのものですが、いろいろな計算も有耶無耶になって結局のところは「表面上は」各社共にEVを何処かで100%にするような画餅を描いていますが、私は個人的にはそんなに甘くないと考えています。

全固体電池のマス・プロダクションの手法が成立したらまたもう少し変わってくるんでしょうが、これからは経済的な原理に則ったレベルでの採掘可能なレア・メタルがガンガン減ってくるのが目に見えているのにどうやって現実的な値段で売ることのできる車を大量に作れるのでしょうか。

そもそも、EVの価格に占めるバッテリーの割合は「現時点で」さえ1/3と言われています。よく言われるようなマス・プロダクションによって全体として劇的に下がる!と言われますが、以下のグラフを見てもらうとそれがいかに怪しい話なのか一目瞭然だと思うのですが。

これはコバルト
こちらはリチウムです。
上の表ではウクライナへのロシアの侵略戦争が始まる前から値段がグイグイ上がってきていたのがわかります。もしこのトレンドが戦争の終結後も続くのであればどうなるか考えたら、かなり恐ろしい事になるような気がするんですけどね。(上の表ではそれぞれほぼ4-5倍ですよね。)

例えば「仮に」300万のEVが売っていたとすると(現時点では実際はもっと高価なものも沢山ですが・・・)その1/3がバッテリー代だとして、その中で使う希少金属類の部品の占める価格の値段がそのバッテリーの更に1/3だとしても33万円の材料費が150万円くらいになってその差額は100万円+アルファ!の上昇。
増々若い人たちには車というものが手の届かないものになっていくであろうことは容易に理解できます。

しかし、上でも書いたように恐らくヨーロッパ勢を中心に自動車業界はトヨタが遥か前から出し、かつ特許をタダで大公開しているハイブリッド車を「電気」自動車として茶を濁すことはまず間違いありません。前者をハイブリッドにしておけば取り敢えず100%の電動車と言えますからね。w

エンジンがない自動車でどうやってアフリカ諸国の国々に車を売るんでしょうか?砂漠のど真ん中から確実に生きて帰ることの出来るのは信頼性の点で圧倒的にガソリンやディーゼル車ではないんでしょうかね?

まあ、何はともあれでかい技術的ブレーク・スルーがあれば上のような悩みも当に杞憂となってメデタシ・メデタシなのでしょうが。

じっくりとこれからの10年を眺めていきたいと思います。


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