2022年4月28日木曜日

人手不足の中での「人」の選択

病院というところは殆んどの場合、どこでも「人手不足」というのがデフォルトだと思います。

私が知る限り、あちらこちらの病院で常に医師や看護師さんを探して受け容れを行っています。特に看護師さんのリクルート合戦は熾烈でして、看護師さんの人材バンクを作ってそれを紹介するビジネスは常に高い利益をその会社にもたらしていると思います。

以前聞いた話では、一人の正看護師さんを病院に紹介成功すると60万円ほどのお金をまずはその紹介会社に払うんだそうです。ちょっとビックリですが、背に腹は代えられないというような切羽詰まった事情の病院にとっては経費として支払うものとして受け入れているのかもしれません。

ところが、これには更に追加の出費があって、人材派遣バンクのほうではこういう看護師さん達を自分のバンクの所有物として使い続けようとしますから、例え何年働こうと毎年こういったもとの派遣会社に上納金を払い続けるようなシステムを取っているところもあるという話。まあ、雇うがわからしてみればとんでもないシステムだと思うんですけど、竹中平蔵的人間達にしてみれば「何時までも」甘い汁を吸える事になりますので、美味しい訳です。

人手不足こそはそういう人材派遣会社にとってはチャンス。医療業界はのような景気に左右されにくい中での慢性的人材不足の業界は誠に美味しいターゲットとなるわけです。しかも、雇用車側は比較的多くの金を払いがちな「病院」ですから、金額も釣り上げる余地があることになります。

結局、病院に派遣される側の看護師も派遣会社側が直接雇用の人間よりも少し高めの給与をもらえるようなセッティングの交渉をしてくれますので、派遣する側と派遣される看護師さん達にしてみれば取り敢えずwin-winになるわけです。

しかし、これだけ金を使ってリクルートした看護師さん達の中にも当然「使えない」人も混じっているのですが、取りあえずは病床の看護基準というものを満たすために数だけ揃えて何とかしたいというような病院も沢山有るわけです。

そうすると、これまた当たり前のことなんですけれど「困った方々」というのも混じってくるわけです。ところがこの人達を一旦雇ってしまうとその後の解雇が実に難しいのが日本の雇用法で、これが時に悪貨は良貨を駆逐するという事態を巻き起こして、仕事レベルの高い人のほうが「辞めさせていただきます」という事が少なからずあるのです。

そういった残念な事態を防ぐにはリクルート時の面接でそういった人をまず見抜くだけの能力が採用者側にあることが求められますし、雇い始めたときの試用期間での解雇の手続きをきちんと行使する必要があるのですが、これまた大変に法的問題を産み出しやすいもの。

結局は一時間程度の会話の中で「人物」を見抜く眼力の問題なんでしょうかね。日本は殆どの場合、推薦状というものが必要にならない世界ですので本当に難しいです。推薦状ももらえないような人間はアメリカでは通常「アレ」なもんなんですけどね。w

  

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