2022年4月4日月曜日

自閉症の息子の内なる調和

「こだわり」一言でいうと息子の世界はそういうもので構成されているようです。

おそらく福祉関係の学校を出られたりそのうような児童、成人に関する実地教育を受けられた方、そして日々その様な施設などで仕事をされている方々であればほぼ「はいはい」と理解して頂けるような感じのものです。

アメリカにいた頃に言葉を話さない息子に関して多くの機関と専門家の皆さんが関与してAutismという診断名で以降の種々の手続きが定められていきました。

日本語では自閉症ですが、実際の所DSMでも改定され続けているように、息子の持つ「普通の人」にはない種々の所作・行為は特徴的な行為群を主徴とする疾患や症状としての対比概念ではなくグラデーションを持つ一種のスペクトラムとして認識され直しています。

実際、息子のやることを見ていてもこういう点はコレに当てはまるけど、こういうことはしないし、書いてはいないけどこういう特徴は有るしと言う状態ですからやはり概念としてのスペクトラムという呼び方は「正しい再定義」だと私自身も親として感じます。

さて、本題に戻ると、日本に帰ってきてからの最近の息子の不思議な行動セット・パターンの一番と言えばモノの面をそれぞれ全て触ると言う行為です。一体どういうことかというと、例えばサイコロの六面体があれば1-2-3-4-5-6の面全てを指先でササッとしかも一回ならず数回ずつその面を触って満足するわけです。

その応用例?で顕著なのがドアノブ。寝る前にこの「儀式」が始まると我々親はその終了まで待たざるを得ません。強制中断すると感情の波をかき乱されたようになって、不機嫌になったり怒ったりします。

同じようなことは寝る直前に片付けるアマゾンのキッズ・タブレットを床に置く時も同様で、何度も各面を手で全てなぞり、ケーブルを「きっちりと」巻いて壁の隅に置くなんて言うことをしないと寝床には着きません。

更に寝る前の儀式の大きいものとしてはキッチン・シンク周囲のすべての壁や柱などの面という面を拭いて、さらにそこに置いてある鍋などの外側をきっちり何度も仕上げていきます。

これら全ての儀式を済ませる為の所要時間は最低でも30分。その間、嫁さんはじっと脇で待っています。なんだかこういう行為って本人にとっては心の平安を得る為の何らかの「帳面消し」行為なんでしょうが、私から見るとそのコダワリは一体どこからやってくるのだろうと只々不思議です。

おそらく私の知らないコダワリも他の場所では見せることが有るのでしょうね~。

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