2022年4月15日金曜日

ロシア軍の作戦指揮って・・・

本当に「お前らときたら」という言葉がぴったり来るようなロシアの泥縄軍団です。

大義が無い、指揮系統が働かないというのはこれ程までに惨めな戦いを強いられることになるんでしょうか。戦闘開始から50日以上が過ぎた現在、キーウは勿論、その他の地域でも西側諸国の武器と情報支援を受けたウクライナ側の諸部隊の反撃に戦争犯罪の証拠をボロボロと残しながら退却を続けています。こういった事実自体もウクライナ軍の怒りの増幅装置と国民の一体感の更なる強化をもたらしますよね。

互いが自分なりの戦果を報告しながら戦っていますが、ロシア側もウクライナ側も正確な情報は激しい戦闘の中で完全には把握できないはずですから、互いに推測値を繰り出し合うのみです。例えばウクライナ側の日々アップデートされる情報では以下のような数字が報道機関経由で出されています。(数字は相手に与えた損害のトータルです。)
数字を見た限りでは、ロシア軍の損害は異様に莫大なもので、ロシア自身の本土防衛の為の戦力の相当数を今回の戦いで持っていかれているであろうというのが(この数字が本当に実数に近ければ!)素人目にも容易に想像できます。しかしロシア側はそもそも数字を出していないということ自体が負け戦ですよね。

ネット上の日本語と英語で書かれた軍事専門家達の意見をあちこちで読んでも攻撃側は防御側の5倍程度の戦力で戦闘を開始することと、制空権を掌握したあとでなければ勝つことは難しいというのが基本線。そもそもが練度も低く兵站も驚くほどお粗末だったこの「強いと言われていた」ロシア軍。完全に馬脚、地金が見えてしまったことはロシアにとっては今後の政治的プレゼンスの莫大な縮小という意味では既に大破綻状態。核を持っている張り子の虎では北朝鮮と同じレベルです。

ロシア軍が勝っていたという場合でも、結局シリアで勝っているのは抵抗する術を持たないシリア人民相手の場合のみ。独立後にNATO軍に直接に依頼して旧ロシア軍から時間をかけて最新のNATO式の戦術群を作り直している上に、そこに更に新しい現代的な武器が国外から次々と供給されるウクライナ軍に対してはなかなか勝てないとうのは実に腑に落ちます。そもそも戦闘する大義が違いすぎるこの二国間では戦闘意欲の形成という意味では決定的にロシア側は負けでしょう。

ついでに書けば、キーウで敗退していったロシア軍が負け癖の付いた残群をまとめ上げて休憩もさせずに東部に再度投入するなんて言うのは殆ど狂気の沙汰。負けを倍加させるだけの愚の骨頂です。折角命からがら生き延びた残存ロシア兵達の絶望感たるや如何程のものか、想像するだにお気の毒です。

更に先日は2021年に全システムをアップデートして黒海におけるロシア海軍のプレゼンスを保証してきた旗艦モスクワまで失う始末。一体ロシアはこの旧ソ連の衛星国家相手にどこまで損失を被り続ければ良いんでしょうか。

そういう意味では「追い詰められた糞男」がもしいまなんとかして奪いきろうとしている東部のクリミアへの回廊に含まれるウクライナの都市群を失うようなことがあったら、ロシアは自軍をウクライナから引き上げさせたあとに戦術核や化学兵器を大々的に使うような恐ろしいことにならんのかという強い危惧を持っています。

今のところ、この闘いはまるでロシア版インパール作戦です。


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