2021年6月13日日曜日

医師を脅すクレーマー

病院というところはいろんな人がやってきます。

特に我々の病院は精神科が大きな部門を占めていますので、ありとあらゆる珍奇なクレームも「普通のクレームに被さるように」到来します。

院内にはその様なクレームに対応するチームも居りまして、種々の技を使ってそういう類のクレームを押し返していくのですが、そのチームの対応を見ていると、対応する人によって種々のスキルの違いはあるものの、基本的に理詰めで淡々とクレーマーの質問に答えていくとか全部のクレーマの叱責に「御説御尤も、誠に申し訳ございません」と言う感じで応えていつの間にか終わらせている人等、種々の方法で対応しているようですが、時々医師の方に直接電話を入れてくる人間がおります。

そもそも仕事中にそんな電話を繋げてくるアホな事務も事務なのですが、間違って入ってきたときには外来なんかの業務が滞って大変な迷惑。それでも、無碍に突き放して切るのも失礼かと思って対応し始めるとこれがどうして・・・。

「おい、俺の親(長年通院や入院治療をしている統合失調の方)がそこに行っているんだが、どうしてジェネリック出すんだ!ジェネリックの降圧剤出して俺の親の血圧が上がったりしたらどうするんだ!」とのお電話。

そこで、当院での処方は厚労省の指導に則って多くの薬を既にジェネリックに替えており、一つづつ替えていきながら効果に問題がないことを見極めて院内の処方の多くをそういうものに替えて患者さんの御負担も下げています~というような説明をした所、「俺の所にはジェネリックは出すな。」との話。当院では以前から理事長がいろいろと患者さんの利便性を考えて院内処方箋だけで処理しておりますので、もしどうしても当院の処方で我慢できないようでしたら他院を受診されてそちらでオリジナルの薬を処方していただくというのがベストだと思われます~とこれまた淡々と返した所、「あんたの名前を教えろ。」と言われましたので「Aと申します。」と淡々と応答。

すると「俺が暴れたら大変な事になるぞ!録音しとるんやからな~」と返されましたので、「それは脅迫ですか?」と冷静に返すと、暫く沈黙があって「・・・違うけどな!」と言う感じの捨てぜりふを残してガチャリと相手側が切りました。

実は私、こういう脅迫を吐いた時点で相手側の完負けというのを理解しておりますので、これで話は終わりです。w

一応事務局の方にはこういった一件がインシデントとしてあったということをリポートに上げて連絡をしておき、この患者の親族からコールがあったらよろしく~と話をしていたのですが、何の音沙汰もありません。

最近は病院も悪質なクレーマーに対しては躊躇なく警察を呼びますし、勤務先の病院はありとあらゆるシーンで警察の無理を聞いておりますので、そういうリクエスに対しては逆に大変親切に対応してくれますので、何も恐れるものはありません。

患者「様」と呼び出した頃から勘違いクレーマーが飛蝗のように湧き出してきたようですが、その効果は極小です。逆にお手々に輪っかが掛かったり病院への接近禁止令が出されたりして哀れな結末を迎えることばかり。

北九州などで仕事をしていた友人達に聞くと、あちらには物凄い職業的クレーマー団が居たりするそうですが、そういうのに比べたら愛知の素人クレーマーはまだまだウサギさんの様に可愛いですね。

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