2020年7月28日火曜日

働いても働いてもの母子家庭

父子家庭でも同じような悩みをもたれている方々も日本中に沢山おられると思います。

立場上、病院の様々な職員さんから「正直な話」というのを聞くことも多いのですが、母子・父子両家庭とも日常生活において金銭的、物理的余裕が無く表には出さない悲鳴を上げている人達が沢山居ることに日本に帰ってきて直ぐに気づきました。

正直に真っ直ぐ仕事をして生きていても、子供が居ながら配偶者は居ないというのは大変に厳しいという当たり前の状況を彼女等や彼等が淡々と、しかし苦しそうに語る時、そこに嘘があるとはとても思えません。

二人が男女として別れた理由は正に様々ですが、シングルになって父や母として生活することは少なくとも日本において(他の国では知っている範囲ではアメリカにおいても)楽とは程遠いものであることが解ります。

手取り額を聞いても、正直、これでは塾とかに通わせることは難しいだろうし、将来の進学に対する備えとしての預貯金などかなり難し良いだろうとしか思えない額であることが多い数字ばかり。しかし、親としてはシングルであるからといって子供を教育上不利の無い立場においてやりたいという親心も強く持っているのは当然で、そのバランスをとるのにも四苦八苦している様子。

実際のところ最も大変なのは親が仕事をしている時に近隣にそれを物理的に助けてくれる両親が側に居ない時のようで、その大変さは格別のようで、育児ケアの捻出のために仕事をしているのか、子供を犠牲にして仕事をしているのかどっちかわからなくなって心も体も疲れ切っている人もたくさん。

では、両親がアシストしてくれればそれで良いのかと言うと、贅沢に聞こえるかもしれませんが特に両親と同居している女性の場合には色々と育児や生活上の意見の相違でシリアスな衝突も多いようで、何事もそう簡単にはいかないようです。

シングルになったあんたが悪いというのは人間を知らない人の言う発言であって、理由は本当に様々。多くの場合はどちらかを簡単に責めて終わりというようなものでもありません。
大変なのは親だけでなく子供も当然いろいろと大変な目に遭っていて、聞いているこっちが舌打ちするような残念な状況も結構存在しています。(ちょっと具体的すぎて書けないのですが。)本当に、母親としても働いてもそれが全く報われずに子供からも「自分と時間を共に過ごしてくれない親」として嫌われる始末に涙を流す日々とか。これぞ板挟みというやつではないでしょうか。

日本の子供の7人に1人は貧困に晒されているといいます。実際のところ私の家庭も恥ずかしながら最初の数年はアメリカにおいて子供の数と収入でカテゴライズすると立派な貧困家庭に属していましたので、遠くには行けず贅沢は勿論できず・・・という生活が続いていましたが子供達にとっては両親ともいる家庭。その差の及ぼす影響は子供の成長にとってはまことに小ならざるものだと思います。

子育て支援なんて国が謳うなら、もっとシングルの家庭を経済的にも保育上もアシストするようなシステムをきちんと作れよと声を大にして言いたいです。このままでは子育てをしようともそこに乗り出せないなんて人達が幾らでも増えて子供を授かるのが喜びではなくて唯の不安にしかならない人達だらけになってしまいますって、もうそういう時代になっちゃってるのかな。

「なんとかなる!金はあとから付いてくる」等といって何も考えずに勢いで喜び勇んで3人の子供達を授かった我々は唯の無鉄砲だったのでしょうか。


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